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東京新聞2012年1月20日本音のコラム 金正男氏の声 佐藤 優 すごい本が出た。東京新聞の五味洋治編集員が上梓した『父・金正日と私 金正男独占告白』(文芸春秋)が東京で勤務する主要国の外交官やインテリジェンス・オフィサーの間で大きな話題になっている。 五味氏は北京の国際空港で偶然、金正男氏と会い、その後、関係を深めた。メールのやりとり、対面インタビューを通じ、北朝鮮国家中枢を知る金正男氏の論理を五味氏は見事に引き出すことの成功した。本当に重要な情報は人間的信頼関係を通じてしか入手できないことがよくわかる。 今月3日に金正男氏が五味氏に送ったメールで「この世界で正常な思考を持っている人間なら、三代世襲に追従することはできません。37年間の絶対権力を(後継者教育が)2年ほどの若い世襲後継者が、どう受け継いでいけるのか疑問です。若い後継者を象徴として存在させ、既存のパワーグループが父上の後を引き継いでいくとみられます」と述べている。 金正男氏は、北朝鮮の置かれた状況を客観的に認識し言語にすることができる知識人であると筆者は見ている。同様の教育を受けた金正恩氏も似たような現状認識をしていると思う。 本書に今後の北朝鮮外交を構築するためのヒントがたくさんある。野田佳彦首相、玄葉光一郎外相にぜひ、読んでもらいたい。 (作家・元外務省主任分析官) 「父・金正日と私 金正男独占告白」 五味洋治著(文藝春秋 1,470円) 新体制の行方を握る正男氏。日本への不法侵入事件の顛末、正恩との対立、彼を保護している中国、北朝鮮のあるべき姿について率直に語る。 商品情報 ・発売日: 2012年01月 ・サイズ: 単行本 ・ページ数: 253p ・ISBNコード: 9784163751900 【内容情報】 父上は厳しくても、愛情が深かった。「三代世襲」にはもともと否定的でした。祖父(金日成主席)に容貌だけ似ている弟の正恩が、どれだけ北朝鮮の人々を満足させられるか、疑問です。世界的スクープ!インタビュー7時間+メール150通。 【目次】 はじめに 金正恩体制のカギを握る男 序章 金正日の「血と骨」 第1章 北京での邂逅「私が金正男です」 第2章 百五十通のメール対話 第3章 マカオでの独占インタビュー 第4章 祖国からの警告 第5章 プリンスはなぜ追放されたのか? 終章 金正男が平壌に帰る日 【著者情報】 五味洋治(ゴミヨウジ) 1958年7月26日長野県茅野市生まれ。82年早大第一文学部卒。83年東京新聞(中日新聞東京本社)入社。社会部、政治部(官邸、野党担当)などを経て97年、韓国延世大学語学留学。99〜2002年ソウル支局、03〜06年中国総局勤務。主に朝鮮半島情勢を取材。08〜09年、フルブライト交換留学生で米ジョージタウン大に客員研究員として在籍。現在、東京新聞編集委員(外交・安保担当) |
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