財政再建が急務と言いつつ国有地を売却しない財務省 矛盾の裏に官尊民卑の思想・・・ZAKZAK
ZAKZAK2011.03.01.連載:2011「日本」の解き方
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110301/plt1103011430001-n1.htm
財政再建が急務と言いつつ国有地を売却しない財務省 矛盾の裏に官尊民卑の思想
23日の日経1面に、「都心の国有地、定期借地方式で再開発」という記事が載っていた。
「財務省は政府が保有する都心部の大規模国有地を、定期借地権を設定して民間に貸す方針を決めた。第1弾として東京・大手町の土地を想定している」と書かれている。
小泉政権の時、私は資産負債改革を担当していた。国は借金が1000兆円もある。菅政権は、その借金返済が大変だからという口実で消費税増税をもくろんでいる。
借金が大変だったのは小泉政権も同じだ。財政再建のセオリーは、第一に経済を良くすることだ。それで税収が増える。第二は資産を売却することだ。それで借金を返済し、借金をスリムにする必要がある。第三にムダの撲滅だ。それでもダメなら増税もやむを得ないかもしれない。
1~3のステップを踏まずに増税から入るのは財政再建として下策である。小泉政権での資産負債改革は第二ステップの話だった。昨年12月8日の本コラムで映画『武士の家計簿』を紹介したが、財政が苦しいというのであれば、資産売却は避けて通れない。逆にいえば、700兆円もある資産を売却しないのであれば、まだ財政は苦しくないというサインになる。
財務省は「賃借料収入は同じ期間の国債の発行コストなどを上回ることを条件とするので、定借の方が財政に貢献できる」と説明するだろう。小泉政権の時も同じことを言っていた。
それに対して、「それだけの収益を上げられるなら、土地を民間に売却すれば、民間はその時の有効活用を国より良く考えてビジネスをする。その結果、土地関連の事業収入も出て、それへの法人税等が生じることを考えると、売却のほうが財政貢献が大きい」と私は反論した。
もし財務省の言うように、土地を国有にしたほうがいいなら、資本主義の基本である土地の私有財産制を否定し、土地はみんな国有地として民間に貸与するほうが効率的になってしまう。財務省の主張の前提には、民間が土地を所有すると最大に有効活用を考えるという点が抜けていて、国が所有する方が望ましいという官尊民卑の思想が入っている。
小泉政権の時には、私の主張が採用され、国有地は売却される方針であった。ところが、政権交代して民主党政権になったら、国が土地を所有するほうがいいという考え方に変わってしまった。まるで土地の私有財産制の否定のようであり、中国のようだ。
新聞記事では、土地を売却すると「霞が関埋蔵金に使われる」と書かれているが、これは資産を墨守し増税を言い張る財務省の言い分であって、国民の意見ではない。
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110301/plt1103011430001-n1.htm
財政再建が急務と言いつつ国有地を売却しない財務省 矛盾の裏に官尊民卑の思想
23日の日経1面に、「都心の国有地、定期借地方式で再開発」という記事が載っていた。
「財務省は政府が保有する都心部の大規模国有地を、定期借地権を設定して民間に貸す方針を決めた。第1弾として東京・大手町の土地を想定している」と書かれている。
小泉政権の時、私は資産負債改革を担当していた。国は借金が1000兆円もある。菅政権は、その借金返済が大変だからという口実で消費税増税をもくろんでいる。
借金が大変だったのは小泉政権も同じだ。財政再建のセオリーは、第一に経済を良くすることだ。それで税収が増える。第二は資産を売却することだ。それで借金を返済し、借金をスリムにする必要がある。第三にムダの撲滅だ。それでもダメなら増税もやむを得ないかもしれない。
1~3のステップを踏まずに増税から入るのは財政再建として下策である。小泉政権での資産負債改革は第二ステップの話だった。昨年12月8日の本コラムで映画『武士の家計簿』を紹介したが、財政が苦しいというのであれば、資産売却は避けて通れない。逆にいえば、700兆円もある資産を売却しないのであれば、まだ財政は苦しくないというサインになる。
財務省は「賃借料収入は同じ期間の国債の発行コストなどを上回ることを条件とするので、定借の方が財政に貢献できる」と説明するだろう。小泉政権の時も同じことを言っていた。
それに対して、「それだけの収益を上げられるなら、土地を民間に売却すれば、民間はその時の有効活用を国より良く考えてビジネスをする。その結果、土地関連の事業収入も出て、それへの法人税等が生じることを考えると、売却のほうが財政貢献が大きい」と私は反論した。
もし財務省の言うように、土地を国有にしたほうがいいなら、資本主義の基本である土地の私有財産制を否定し、土地はみんな国有地として民間に貸与するほうが効率的になってしまう。財務省の主張の前提には、民間が土地を所有すると最大に有効活用を考えるという点が抜けていて、国が所有する方が望ましいという官尊民卑の思想が入っている。
小泉政権の時には、私の主張が採用され、国有地は売却される方針であった。ところが、政権交代して民主党政権になったら、国が土地を所有するほうがいいという考え方に変わってしまった。まるで土地の私有財産制の否定のようであり、中国のようだ。
新聞記事では、土地を売却すると「霞が関埋蔵金に使われる」と書かれているが、これは資産を墨守し増税を言い張る財務省の言い分であって、国民の意見ではない。
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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