東北に最先端の環境防災都市を造れ! 世界が振り向く復興計画第一弾・・・DIAMONDonline

東北に最先端の環境防災都市を造れ! 世界が振り向く復興計画第一弾
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DIAMONDonline2011年3月25日 田村耕太郎 [前参議院議員]

今こそ復興プランを打ち出せ!

「日本株が下がっている今が買いのチャンスだ」「バフェットも日本株を売らないぞ」との声が変わってきた。「日本株が買いだ」と言ってきた連中には暗黙の合意があった。「あの経済大国日本だ。必ず素晴らしい復興プランを誰かが描いているはずだ」というものだ。

 こちらアメリカをはじめ、海外の多くの人々が被災した苦しい立場でも列を乱さず給水車から納税にまで我慢強く並ぶ日本人を称賛した。

 さて、次はリーダーの番である。「あの素晴らしい国民に選ばれたリーダーに復興策がないわけがない」と示す番なのだ。

 阪神淡路大震災との比較が言われるが、私はこの東日本巨大地震の方が数倍も困難な復興になるではないかと思う。一つは被害の甚大さ。地震のエネルギーも数百倍で、今回は津波により町ごと流された自治体もある。原発による汚染や風評被害も拡大するものの収束の気配はまだ見えない。

 次に16年前と比べ財政の逼迫具合が違う。阪神淡路大震災があった1995年の公的債務残高は国と地方あわせて約550兆円と今の約半分の水準だった。それでいて名目GDPは500兆円と現在とほぼ同じだ。デフレはその後16年続いている。95年の株価はなんと今の倍以上の19000円台を維持していた。

 そして、原発と火力発電所が被災し、首都圏への供給用電力が30%以上不足している。日本のGDPの40%を稼ぐ首都圏の血液を絶ってしまっているのだ。これにより、生産はじめ各種企業活動が打撃を受け、自粛ムードたっぷりの薄暗い街並みが人々の消費意欲を削いでいく。

 各金融機関やシンクタンクが今回の震災の被害総額を計算し始めた。5兆円から20兆円まで幅広く試算している。この損害を、増税や国債発行による補正予算や通常予算の組み替えで、財政支出して穴埋めしていくというのが通常の復興策だ。しかし、こんな通常の手法では、新たなデフレスパイラルに入りつつある日本経済で、お金は回らないと思う。効果のない施策のために財政を傾かせ、増税で経済までさらにおかしくしてしまいかねない。

「景気」の「気」は「気分」の「気」である。人々に明るい未来を感じさせることが必要だ。加えて、現実的に明るい未来が見えれば、商品市場で投機として回されている世界にだぶついているお金が日本にやってくる。世界にだぶつく民間資金をうまく導入できれば財政出動なしで、復興政策ができると思う。

アブダビのマスダール・シティ計画

 潤沢なオイルマネーを抱える産油国にありながら、世界の投資を引き付けているプロジェクトがある。アラブ首長国連邦の首都、アブダビにあるマスダール・シティ計画だ。

 私は東日本に東日本版マスダール・シティを造ることを提案したい。私は議員時代足しげくアブダビに通った。このマスダール・シティを見学するためだ。これは別名、「二酸化炭素を出さない都市」、「自ら発電する都市」といわれる都市計画だ。

 風力、太陽光、地熱、スマートグリッド、電気自動車、壁面緑化、施設園芸等の代替エネルギー、緑化、農業生産等の各要素技術を世界中から結集し、二酸化炭素を出さないサステイナブルな街を作るのだ。そして、それら要素技術ではなく、都市そのものを、世界のモデル都市として世界に売っていくプロジェクトである。

 マスダール・シティの素晴らしさは、各技術を実際連携させて使ってみることによって、各技術がさらに実用的になっていくことだ。次世代技術が、実際の都市の環境でより効率がよくなり、よりコストが下がっていく。

 マスダール・シティ計画の会長である、アフマド・アリー・サイエ氏からよく会場を見せてもらった。ちなみにサイエ氏はUAEの次期大統領であるムハマンド皇太子の側近中の側近である。何もない砂漠にいきなり自然と最新技術が共存する都市が現れるのだ。サイエ氏から「アブダビはお金はあるが、技術がないから世界中から技術を買ってこのゼロエミッション都市を作っている。お金も技術もある日本がなぜこれをやらないんだ。アブダビ以外に世界でゼロエミッション都市を作れるのは日本だけだろう。日本には広大な空き地がないのか?」と常に言っていた。

 今こそやるべきである。日本中に散らばる省エネ・代替エネ・緑化・農業等の技術を結集するのだ。そうすれば、循環的で二酸化炭素を出さない発電する都市が作れるはずだ。それを被災地を再建する形で被災地に建設してはどうか?税制優遇や規制緩和を活用して、技術が導入しやすくすればいい。

そして、日本が日本各地の大企業や中小企業、大学や研究所が持つ要素技術を結集して、アブダビに負けない、二酸化炭素を出さないゼロエミッション都市を建設すると宣言したら世界は間違いなく振り向く。そして実験段階の技術も実際に人が住む空間で使われていくことにより、より実用的でコストが下がっていく。

世界からの投資を引き付けよ!

 そして、環境技術だけでなく、最先端の防災技術も備えたものにしてはどうか?素晴らしい東日本の自然と共存もし、時に自然が牙を剥いてきたときは、人命を自然から守る街となるのだ。こうすれば、被災地に作った最先端の環境先進都市・防災先進都市は世界のモデルとなるだろう。

 技術も都市そのものも世界が投資したがり、購入したがるだろう。これだけ未来があるプロジェクトであれば間違いなく世界が投資してくると思う。原発問題で日本のエネルギー政策の見直しが必至である今、次世代の代替エネルギー、環境、省エネ等の技術に集中的に投資すべきだ。単なる技術ではなく、それらが東日本の素晴らしい自然と共存する形で活用され、されに実用的に洗練されていく。加えて、二度と被災しないように今回の震災から学んだ技術も取り入れた防災システムを張り巡らせるのだ。

 これだけ未来が見えれば、世界からその建設のための資金は集まってくる。必要はないとは思うが、念のため、そのきっかけを作るために政府が外貨準備の利息の部分や公的年金のほんの一部をタネ銭として投資してもいいと思う。実際お金を出さなくても、海外勢からの投資に政府保証を提供するだけで投資は呼び込めると思う。

 被災した町が、自然と共存し、自然から人命を守る街として生まれ変わる。そして世界のモデルとして世界が投資し、世界が欲しがる。そんな未来ある復興計画を是非とも実現しようではないか!







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大正地方財政史〈下巻〉政党化と地域経営・都市計画と震災復興
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