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zoom RSS ZAKZAK連載: 高橋洋一 2011「日本」の解き方・・・東京電力関連コラム(4月)

<<   作成日時 : 2011/06/10 13:53   >>

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東電一時国有化を試算する 賠償負担4兆円が分水嶺に 国民負担最小化する政策を
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110405/dms1104051533014-n1.htm

2011.04.05.連載:2011「日本」の解き方

 東電の福島第1原発事故について、その後処置や周辺住民などへの補償などで巨額な費用がかかると見込まれている。

 そこで、「一時国有化」について、枝野幸男官房長官は否定しているが、玄葉光一郎国家戦略担当相は「選択肢の一つ」としている。

 これまでの国有化の例では、100%減資(資本金を全額減らすこと)をして株の価値をゼロにすることがほとんどだ。それを見越して、東電の株価は連日ストップ安となった。

 東電は今回の事故で経営はどうなるのか。原発事故については、原子力損害賠償法があり、その第3条で「原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる」となっているが、「ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない」と免責されている。このため、東電関係者が「想定外だった」と強調するわけだ。

 どこまでが免責されるかは今の段階ではっきりしない。震災後の初動対応の不備もいわれており、数兆円といわれる賠償額すべてが免責されるわけではないだろう。

 となると、東電が責任を負うべき範囲はどのようになるのか。まず原子力損害賠償法で、東電は原子力損害賠償責任保険に加入する義務があり、福島第1原発で1200億円だ。

 それでカバーできない範囲については、国が東電を相手として原子力損害賠償補償契約を結んでいる。これは2010年度予算で1兆6960億円だ。

 仮に賠償総額が7兆円としよう。そのうち東電の負うべき賠償額が責任保険と補償契約の合計1兆8160億円以内ならば、原発の毀損(きそん)による損失を除き、東電の持ち出しはないことになる。

 ところが、もし東電の負うべき賠償額が5兆円で、残り2兆円は政府が責任を負うことになる場合、東電の持ち出しは(5兆円から前出の保険や補償契約を差し引いて)3兆1840億円になる。昨年3月末の東電の純資産は2兆1607億円なので債務超過で破綻になる計算だ。負担額4兆円程度が分水嶺となる。

 電力会社は公共性が高く地域独占でもあり、破綻させて会社が消滅するわけにはいかない。そうした場合には、経営陣などは責任をとり退陣させられるだろうが、金融機関と同様に国有化措置などの公的関与が行われるだろう。

 その場合、必要な投入資金額は東電の持ち出し額3兆1840億円から同社の純資産2兆1607億円を差し引いて、1兆233億円以上となる。これをすべて税金でなく、例えば他の電力会社や、ガスなどの公益事業会社からも資金投入できれば、国民負担はそれだけ減少することになる。

 いずれにしても、電力会社を破綻させて電力供給をストップできないのであるから、一時国有化でも国民負担を最小化させる政策が選択されなければいけない。(元内閣府参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)


東電株はどこまで下がるのか 責任の範囲は政府の裁量次第 株主負担回避は希望的観測だ
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110406/plt1104061537002-n1.htm

2011.04.06.連載:2011「日本」の解き方

 東京電力の株は安定的な配当があるので個人投資家が多い銘柄だ。東電株は4割くらいが個人株主によって保有されている。こうした個人株主は長期保有することが多く、日頃それほど売買しない。さらに、優良銘柄として投資信託にも組み込まれている。

 その東電株が、福島原発事故を受けて、急落している。震災時の11日の終値は2121円だったが、週明けの14日から下がりはじめ、17日には798円になった。

 放射性ヨウ素の半減期は8日というが、17日までの東電株価急落は半減期3日の物質の残存曲線のようだった。その後一時持ち直したが、22日からは半減期6日の曲線に乗って下がっている。

 株価がどう決まるかというのは難しい問題だが、長い目で見れば、会社の純資産価値を株式数で割ったものになる。純資産価値を見極めるモノとして、会社の将来キャッシュフローがある。そこで、すぐ問題になるのが、原発事故による補償である。

 前日のコラムで紹介したが、原子力損害賠償法があり、「異常に巨大な天災地変」によって生じた損害について東電は免責になる。しかし、具体的にどこまでが免責になるかは最終的には政府が決める。

 昨日のコラムからわかるが、保険カバー額と政府補償カバー額合計が1・8兆円、東電の純資産額が2・2兆円なので、被害総額が多額で東電の免責部分を除いて東電負担分が4兆円を超えると、東電の株式価値はほぼなくなる。

 そうした場合、東電の公共性から、公的資金が導入されたりまたは他の電力会社が出資したりして電気事業は継続されたとしても、株については100%減資が行われるはずで株式はやはり無価値になる。

 不確定部分なのは、全体の被害総額と、そのうちどれだけ東電が責任を負うべきかだ。全体の被害総額は原発事故の収束が長引くほど増えるが、現実に日に日に拡大しているようだ。

 また、東電の負うべき範囲だが、政府は東電の免責部分を広くとると、政府の責任部分がその分広くなるので、できるだけ東電の責任部分を大きくとるだろう。

 証券会社の中には、これまで東電株を推奨してきた経緯から、株主の負担は回避される可能性が高いという意見も多いようだが、これはあまりに希望的観測すぎるだろう。

 これまでのほとんどのケースで、企業危機になって国が乗り出す場合、企業の株主や債権者の負担を少なくするとその分、国民負担が増えるので、株主や債権者には最大限の負担になっている。

 これまでのケースで急落した時に先に売った人のほうが傷が少なかったので、今回のケースもあまり楽観的に考えない方がいいだろう。(元内閣府参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)


東電処理リーク記事の読み方 表面的な枠組みに惑わされず国民負担増やす狙いを見抜く
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110419/dms1104191549011-n1.htm

2011.04.19.連載:2011「日本」の解き方

 13日の株価の動きはとても興味深かった。東京電力福島第1原発事故について、その賠償を他の電力会社も負担するという記事が流れて、東電の株価は上昇したが、他の9電力会社の株価は軒並み急落したのだ。

 ここまで正直に株価が反応してしまうと、金融商品取引法で禁じられている風説の流布にあたるのではないかと邪推してしまう。

 この種の記事が最近は多い。そのほとんどは官僚サイドなどからのリークである。東電原発問題は官邸が主導しているが、官邸と経産省との関係がすっきりいっていない。

 もちろん、4月1日付夕刊フジ紙面掲載の本コラムで書いたように、経産省と東電の関係はズブズブであるので、官邸が経産省を信用しないのはわかる。菅直人首相は役人を怒鳴り飛ばしているばかりで役人が寄りつかなくなっているともいわれている。

 そうなると、役人のほうは、リーク、悪口、サボタージュという伝統芸ともいえる強力な武器で向かってくる。13日に報じられた記事も、官僚サイドからのリークの可能性が高い。リーク記事は「…という原案が明らかになった」という記述、政府関係者の引用がないこと、新聞1紙しか記事が出ていないことなどの特徴がある。

 なぜこんなことをするかというと、官僚サイドの意見が通らない時に、主導権を握り、既成事実化するために行われることがよくある。ただし、本命の案を推進するための陽動作戦であることもある。

 この種のリーク記事は、表面的な処理スキームの差に目をとられると、問題の本質がぼやけてくる。原発問題での損害額の負担が誰に行くかだけを見ていればいい。

 原子力損害の賠償に関する法律という大枠はあるが、解釈の余地が大きく、政治的な力関係で決まるといっていいだろう。

 そこで東電の負担責任をどこまでにするかだが、東電の範囲を少なくすると、被害者の泣き寝入りが許されない以上、その分は政府つまり国民負担が増えざるを得ない。

 冒頭にのべた「他の電力会社も賠償負担」は国民負担が増えないようにみえるが、実は他の電力会社は地域独占であり、それは電力料金値上げという形で国民負担になる。

 また「福島原発分離」という案も出ていたが、その中身は東電を温存するというもの。ということは東電負担は少なくなり、国民負担が増える。さらに、日本経団連会長は、はっきりと政府負担を求めている。これも東電負担が少なく国民負担が大きくなる話だ。

 官邸は今のところ東電が悪いとして東電が負担するように言っている。官邸、経産省、経済界がパワーポリティクスを演じていて、その結果で国民負担が決まってくるだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)


東電改革の要は電力自由化「発送電分離」し送電網開放 新規参入増やす競争政策を
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110427/plt1104271537002-n1.htm

2011.04.27.連載:2011「日本」の解き方

 東京電力の改革案がいろいろと出ている。官邸が20以上の会議で指揮命令系統がスパゲティ状態で機能不全に陥っているので、既成事実化を狙って官僚などからリークが相次いでいるのだ。

 それをどう見るかは、夕刊フジ18日付掲載の本コラムで書いたように、表面的なスキームの違いではなく、東電の補償額について誰がどのように負担するかを着目すべきである。

 関係会社を含めた東電資産が売却され、それが補償に回される場合、一方で東電の負債サイドで東電株主、東電社債権者などは損失になるはずだ。逆にいえば、株主などに損失が出ない場合は、その分が国民負担となって出てくる。

 その改革案を見るときのポイントの一つとして、電力自由化、特に「発電と送電の分離」や「送電網の開放」が含まれているかどうかも重要だ。それらがないと、東電の独占利益は確保され、将来の電力料金で補償するという場合、それらは国民負担になるからだ。

 経済学の教科書では、電力は自然独占の例になっている。というのは、電力事業は巨額の投資が必要で、しかも規模が大きいほど平均費用が低くなる(規模の経済性)ので、市場メカニズムでは最初に電力事業を始めた企業しか生き残れず自然独占になるからである。

 この教科書の説明は、最近の技術革新を考えると修正したほうがいい。電力事業を発電部門と送電部門に分けて考えると、発電部門での規模の経済性は技術進歩によってなくなりつつある。

 やや突飛な話に聞こえるかもしれないが、各家庭で太陽光パネルを設置して、家庭によっては自家消費以上に発電して近隣家庭に余剰電力を供給するという考えもある。

 しかし、送電部門ではまだ規模の経済性が残っている。自家発電を増強して発電を事業化するのは容易になっても、送電は既存の電力会社の送電線を借用せねばならなくなる。

 となると、既存の電力会社について、発電と送電に分離し、同時に送電網を開放して、発電分野で新規参入を促し競争するのが国民にとって望ましい。これは電話について、電話回線網を開放して、いろいろな電話会社を参入させたことと同じ理屈だ、

 これまで、電力の自由化は発電業者の新規参入という形で段階的に行われてきたが、送電網の開放が十分に行われなかった。その結果、発電の新規参入業者も価格決定力がなく、大規模な工場など極めて限定的な地域にとどまっている。

 こうした電力の自由化について既存電力会社は電力の品質などを理由として反対してきた。無計画な「計画停電」をやったので、もはや新規参入者の「品質」は批判できる資格はない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)


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