欧州の連鎖危機回避にはECBの金融緩和

欧州の連鎖危機回避にはECBの金融緩和
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110922/plt1109220850002-n1.htm

ZAKZAK2011.09.22

連載:2011「日本」の解き方

 震災復興のための第3次補正予算も遅れている。6月頃に「8月中旬までに国会に提出する」と当時の岡田克也幹事長は約束しておきながら、いつの間にか9月にずれ込み、とうとう10月中となった。このため、復興需要に盛り上がりが欠けている。また、金融政策の小出し・後出しから円高傾向が止まらず、日本経済を牽引する輸出産業は悲鳴を上げている。

 その一方、欧州経済も揺れている。ギリシャ国債のデフォルト懸念は依然高く、イタリアやスペインの財政にも不安が広がり、リーマン・ショック級かそれ以上の経済危機を懸念する見方もあるようだ。

 欧州中央銀行(ECB)は15日に公表した月報で、「ユーロ圏の経済成長には下振れリスクがあり、リスクは強まっている」との認識を示した。同時に、インフレリスクは後退しているとし、欧州債務危機悪化の中でECBはさらなる金融緩和を取るのではないかといわれている。

 しかし、これまでのECBの行動はまったく評価できない。ノーベル賞経済学者のスティグリッツ・コロンビア大教授も激しく批判しているように、ギリシャ国債問題に対してECBは全額納税者が肩代わりするべきだと主張し、何の行動もとらなかった。金融政策をあまり使わないのが不味かったが、せめて万が一に備えて民間銀行の資本増強を指示すべきだった。

 今やギリシャのデフォルトが視野に入っている。国債デフォルトに対する保険料ともいえるCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)レートを見ると、4月に10%程度、7月には20%程度に跳ね上がり、債務問題が意識されだしたが、今では50%を超えている。これは2年以内にギリシャ国債がデフォルトすることを意味している。50%を超える保険料というのは2年以上も払う必要のないほどの金額だ。ギリシャがデフォルトした場合、他国の財政不安へのドミノ現象や欧州の金融システム危機、欧州の景気悪化といった事態もありうる。

 というのは、ECBの消極的な姿勢のため、ギリシャなどの支援のために財政出動しなければならないからだ。その場合、他の国では緊縮財政になるので、経済危機は欧州域内に伝播する可能性がある。

 ギリシャ国債のデフォルトを回避できればいいが、それができないとしても、ギリシャの問題にとどめておけばいい。それには、ギリシャ以外に緊縮財政を強いるより、ECBが金融緩和すればいい。もっと効果的なのは、政治的にはできない話だが、ギリシャが一時ユーロから離脱して、独自に金融政策を行い、通貨安にしてギリシャ国内経済を強化することだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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