ヒッピー界の雄・グレイトフル・デッドの金儲け術分析した書 グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ

ヒッピー界の雄・グレイトフル・デッドの金儲け術分析した書
NEWSポストセブン2012.01.30 07:01
http://www.news-postseven.com/archives/20120130_83765.html

【書評】
『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』
(ブライアン・ハリガン、デイヴィッド・ミーアマン・スコット 著/監修・解説 糸井重里 訳 渡辺由佳里/日経BP社 1785円)



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【評者】香山リカ(精神科医)

* * *
1960年代のアメリカに生まれた伝説の超個性派ロックバンド、グレイトフル・デッド。“金儲け”とは無縁のマニアックなバンドと思いきや、年間5000万ドルもの売り上げを上げていた、というからビックリ。

その秘密を探ればきっと未来のビジネスの姿も見えてくるのでは……ということで、グレイトフル・デッドのコアなファンにしてアメリカビジネス界の成功者のふたりが、徹底的に分析したのが本書。

たしかに、音楽業界の常識にとらわれない彼らのやり方は、このネット社会のビジネスマインドにも通じるものがある。たとえば、音源を無料で配ったり、ライブでの録音OKとしたり、代理店を通さずにダイレクトにファンたちに情報を発信したり、という話を聞くと、すぐに「それって、今で言うフリーウェアや無料コンテンツ? アフィリエイトや口コミ効果のこと?」と連想したくなる。

そして、「彼らは非常識なことをしていたわけではなくて、未来のビジネスモデルを先取りしていたのだ!」と膝を打ち、「わが社も今日からこの方式で行こう!」と思いたくなるのも当然。そういう人たちのために「すぐに取り入れられるノウハウ」も記されている。

写真も遊び心も満載で楽しく読める本なのだが、ちょっとだけ引っかかることがある。それは、「ホントにグレイトフル・デッドは金儲けしたかったんかいな」ということ。彼らはマーケティング的な戦略として、無料音源の提供やらファンへの直接メッセージやらをやっていたわけではない。

おそらくいちばんの理由は、“反体制”でいたかったからで、次の理由は面倒くさかったから、ではないだろうか。もちろん“反体制”には“反資本主義”というのも含まれていたはずだから、結果的に売れてしまったことに対しても素直に喜べなかったのではないか……。

こんなことを言うと、また「古いサヨクのロマン主義」とバカにされるかも。まあ、ここは糸井氏の推薦コピーのように「これでよかったのだ」と素直に楽しもう。

※週刊ポスト2012年2月10日号

「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」 デビッド・マーマン・スコット、ブライアン・ハリガン著(日経BP社 1,785円)


グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ
日経BP社
デイヴィッド・ミーアマン・スコット

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ツアーには「デッドヘッド」と呼ばれる熱狂的ファンが帯同、ツアーグッズのはしりであるバンドTシャツの販売や、「デッドベア」というキャラクターも生み出した。

21世紀的なビジネステーマを伝説的なバンドを事例にまとめたマーケティング本


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デビッド・マーマン・スコット ブライアン・ハリガン 日経BP社 日経BPマーケティン発行年月:201


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商品情報
・発売日: 2011年12月
・サイズ: 単行本
・ページ数: 274p
・ISBNコード: 9784822248529

【内容情報】
ライブは録音OK、音楽は無料で聴き放題。それなのに年間5000万ドルも稼ぐ。40年前からフリーもシェアも実践するヒッピーバンド、それはフリーでシェアでラヴ&ピースな21世紀のビジネスモデル。

【目次】
1 THE BAND(ユニークなビジネスモデルをつくろう/忘れられない名前をつけよう/バラエティに富んだチームを作ろう ほか)
2 THE FANS(変わり者でいいじゃないか/ファンを「冒険の旅」に連れ出そう/最前列の席はファンにあげよう ほか)
3 THE BUSINESS(中間業者を排除しよう/コンテンツを無料で提供しよう/広まりやすくしよう ほか)

【著者情報】
ハリガン,ブライアン(Halligan,Brian)
ハブスポット社(HubSpot)の共同創業者でCEO。マサチューセッツ工科大学のアントレプレナー・イン・レジテンスとして学生に起業について教える。余暇には、いくつかの会社の理事を務め、1922年にアメリカのソフトウェア会社PTCの日本支社を創立するために来日し、大きく成長させた。在日中は東京の等々力に住む

スコット,デイヴィッド・ミーアマン(Scott,David Meerman)(スコット,デイヴィッドミーアマン)
ストラテジストでありプロの講演者である。ケニヨン大学卒業で、大学寮で大量のグレイトフル・デッドを聴いた。16才のときに初めて日本を訪問し、京都府宇治で日本人家族と1カ月過ごした楽しい経験が心に深く焼きついた。10年後に再び来日し、ウォール街の経済コンサルティング会社ライトソン・アソシエイツの東京支社を創立する。目的を成功裏に達成した後、米大手新聞ナイトリッダーファイナンシャル部門のアジア地域マーケティング・ディレクターに就任

渡辺由佳里(ワタナベユカリ)
2001年に『ノーティアーズ』で小説新潮長篇新人賞受賞。小説、短編、現代詩、エッセイ、ルポの執筆に加え、翻訳、洋書の紹介、読書教育プログラムなども手がける

糸井重里(イトイシゲサト)
1948年生まれ。コピーライター。「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰。広告、作詞、ゲーム製作など多彩な分野で活躍。1998年にウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を開設し同サイトの活動に全力を注ぐ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



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