東京新聞 筆洗・・・小沢裁判の判決内容によっては、特捜検察は解体的出直しを迫られることになるだろう。

【コラム】
筆洗
東京新聞2012年4月1日


 古代ギリシャのアルキメデスという人は、かなりの自信家だったようだ。てこの法則を説明する時には、こんな言葉を残している。「私に支点を与えよ。そうすれば地球を動かしてみせよう」。大言壮語の陰には、科学的知識の裏付けがあった。

 偉大なる数学者に劣らず、この組織も自信に満ちていた。私たちに端緒を与えてくれれば、どんな事件でも立件してみせよう。少し大げさにいえば、特捜検察に蔓延(まんえん)していたのは、そんなおごりだった。

 慢心を打ち砕いたのが一昨日の判決である。大阪地検特捜部による証拠改ざん隠蔽(いんぺい)事件で、元特捜部長と副部長に執行猶予付きの有罪判決を下した大阪地裁は、事件の背景を「組織の病弊」と断じた。

 犯罪を裏付ける証拠が乏しくても、事件の構図を無理に描く検察への不信感は、裁判官の間でも相当高まっているように見える。大阪地裁も「威信や組織防衛を過度に重要視する風潮が当時の特捜部、検察庁内部にあった」と言い切った。

 小沢一郎民主党元代表の公判でも、検事が捜査報告書に架空の記載をしたことが発覚。東京地裁は不適切な取り調べを「個人的ではなく、組織的なもの」と批判し、強制起訴の根拠となった調書を証拠採用しなかった。

 今月二十六日に小沢元代表の判決が下される。判決内容によっては、特捜検察は解体的出直しを迫られることになるだろう。

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