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zoom RSS 東京新聞2012年10月28日【書評】…屍者の帝国 伊藤 計劃&円城 塔 著(河出書房新社)

<<   作成日時 : 2012/10/28 16:19   >>

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【書評】
屍者の帝国 伊藤 計劃&円城 塔 著(河出書房新社・1890円)
東京新聞2012年10月28日



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◆特異なSF世界書き継ぐ
[評者]仲俣 暁生 文芸評論家・フリー編集者。著書に『極西文学論』など。


「屍者の帝国」 伊藤計劃、円城塔著(河出書房新社 1,890円)


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フランケンシュタインの技術が全世界に拡散した19世紀末、英国政府機関の密命を受け、秘密諜報員ワトソンの冒険がいま始まる。日本SF大賞作家×芥川賞作家が贈る超大作。

<著者紹介>
伊藤計劃:1974年東京都生れ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』でデビュー。『ハーモニー』発表直後の09年、34歳の若さで死去。没後、同作で日本SF大賞、フィリップ・K・ディック記念賞特別賞を受賞。


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商品情報
・発売日: 2012年08月
・サイズ: 単行本
・ページ数: 459p
・ISBNコード: 9784309021263

【内容情報】
19世紀末ーかのヴィクター・フランケンシュタインによるクリーチャー創造から約100年、その技術は全欧に拡散し、いまや「屍者」たちは労働用から軍事用まで幅広く活用されていた。英国諜報員ジョン・ワトソンは密命を受け軍医としてボンベイに渡り、アフガニスタン奥地へ向かう。目指すは、「屍者の王国」-日本SF大賞作家×芥川賞作家が挑む渾身の書き下ろしエンタテインメント長編。早逝の天才・伊藤計劃の未完の絶筆が、盟友・円城塔に引き継がれ遂に完成。

【著者情報】
伊藤計劃(イトウケイカク)
1974年東京都生れ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』でデビュー。08年、人気ゲームのノベライズ『メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット』とオリジナル長編第2作『ハーモニー』を刊行。09年3月没。享年34。没後、『ハーモニー』で日本SF大賞、星雲賞日本長編部門を受賞、その英訳版でフィリップ・K・ディック記念賞特別賞を受賞

円城塔(エンジョウトウ)
1972年、札幌市生まれ。東京大学大学院博士課程修了。2007年、『オブ・ザ・ベースボール』で文學界新人賞を受賞、同時期に『Self-Reference ENGINE』を刊行し、デビュー。『鳥有此譚』で野間文芸新人賞、『道化師の蝶』で芥川賞を受賞。早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞受賞

 十九世紀末、解析機関と海底ケーブルによる<全球通信網>に覆われ、世界はすっかり狭くなった。<ネクロウェア>をインストールされた死者は、痛みを感じず、言葉も発することのない<屍者(ししゃ)>として蘇り、兵士や下級労働者として大量消費されている。そうした特異なテクノロジーによって、この作品世界は規定されている。

 ユーラシア大陸南部でロシアと覇権を争う英国は、アフガニスタンで泥沼の戦争を続けている。この地ではかつてロシアの軍事顧問団先遣隊の司祭アレクセイ・カラマーゾフが屍者の兵を率いて反乱を起こし、姿を消していた。英国の若き医学博士ワトソンは、諜報(ちょうほう)機関からこの男が築いた<屍者の帝国>の調査を命じられ、英領インドに渡る。こうした設定は当然、コンラッドの『闇の奥』やコッポラの映画『地獄の黙示録』を意識している。

 ワトソンはアレクセイとの対面を果たすが、根源的な屍者である「ザ・ワン」をめぐって謎はむしろ深まり、舞台は明治大帝治下の日本へと移る。さらにアメリカ西海岸から大陸横断列車に乗ってニューイングランドへ、最後は潜水艦ノーチラス号に乗船してロンドンへと、十九世紀のグローバル(全球)化の動きを巻き戻すように進み、その象徴であるロンドン塔内で最後の対決の幕が切って落とされる−。

 短いプロローグ部のみを残し、伊藤計劃は三十四歳で世を去った。円城塔は惜しまれつつ逝った彼の遺作を、三年四カ月をかけて書き継ぎ、堂々たる長編として完成させた。伊藤が『虐殺器官』『ハーモニー』と展開してきた生命と言語の本質をめぐる特異な思考を受け継ぎ、発展させることに、本作はみごとに成功している。二人が偏愛したスチームパンクSFの古典『ディファレンス・エンジン』もギブソンとスターリングの共作だった。デビュー以来の盟友の手により、伊藤の「三部作」が完成したことを寿(ことほ)ぎたい。

いとう・けいかく 1974〜2009年。作家。

えんじょう・とう 1972年生まれ。作家。
 

<もう1冊>
 小松左京・谷甲州著『日本沈没 第二部』(上)(下)(小学館文庫)。一九七三年刊のベストセラーの続編。壊滅から四半世紀後の世界を描く。


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