日刊闇株新聞 2012年12月27日…日本国債はどうなる?  その2

日刊闇株新聞
2012年12月27日 日本国債はどうなる?  その2


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日本国債はどうなる?  その2

 昨日の続きで、本日はヘッジファンドの「売り崩し」についてです。

 本誌がNHKの番組や、今年初めの「日経ヴェリタス」の記事や、その両方に取り上げられた無名のヘッジファンドや、10年以上「大外れ」の女性作家に過剰反応しているのは、そういう無神経な発言が繰り返されると知らないうちに不安感が埋め込まれ、本来なら起こるはずのない「国債暴落」の可能性が少しでも出てくることを懸念しているからです。

 実はNHKスペシャル「日本国債」の最大の過失は、国債市場の主要プレーヤーである某銀行のトレーダー諸氏と、財務省の国債課長の「顔」とインタビューを放送してしまったことです。

 メジャーなヘッジファンドが注目するのは、日本の国債発行残高とか労働人口の減少などの理屈ではなく、攻撃する「敵」当事者のパニック対応能力です。番組を見た個人的感想なので具体的には書きませんが「面構え」を見せてしまったことは絶対に得にはなりません。

 メジャーなヘッジファンドは、この辺りを見極める能力に長けているのです。

 もちろん日本の国営放送局であるNHKがこのような番組を放送したこと自体が、意図的にパニックを作るときにマスコミが働いてくれることを知らせてしまったことになります。

 さて、本誌がヘッジファンドなら「こうやって日本国債を売り崩す」を書くとお約束したのですが、別に難しいことをするのではなく、本誌が懸念していることをより効果的に継続的に行うだけです。

本誌はあくまでも「国策」「国益」を重視するため、警鐘を鳴らすのが目的であることを、十分にご理解ください。

具体的には昨日書いたように、日本国内には10~40年債、特に20~40年債が積み上がっているところを突きます。

 もちろん、これらの国債は長期運用の機関投資家の利回り採算に合うのですが、実際には有効なヘッジ手段がありません。つまり売り崩されると「一番もろい」ところなのです。長期運用の機関投資家と言えども、仮に暴落が始まるとサラリーマンなので巨額の評価損に身がすくみ、身動きが取れなくなるものです。

 ここで昨日(12月25日)の国債利回りは、3年未満がすべて0.1%、5年が0.16%、7年が0.37%、10年が0.74%、20年が1.70%、30年が1.93%、40年が2.08%となっています(公社債店頭売買参考統計値。小数点以下3桁目を切り捨て)。

 ここで3年未満の国債は日銀の資産買入等の基金が購入しているため日銀の当座預金利息の0.1%に張り付き、5年債も比較的安心でそれに近い利回りです。

 仮に何かしらの理由で暴落が始まっても、日銀が資産買入れ枠を拡大しさらに買入れ対象を5年にまで広げると食い止められます。つまり5年以下の国債の暴落は日銀が止めることができるのですが、逆に10~40年国債には全く無力です(ただし買い入れ対象を7年債くらいにまで拡大をすれば、10年債の暴落もある程度止めることができます)。

 長期債のヘッジ手段として債券先物があるのですが、正確には7年債のヘッジしかできません。これは先物がクーポン6%の債券を想定しているため、受け渡し対象銘柄で最も短い7年債にしか連動していないからです。利率を2~3%に下げればよいだけなのですが、これも東証の怠慢が欠陥を放置しているのです。

 まあその辺りに目をつぶって10年債まではヘッジ手段になるとしても(ある程度ヘッジポジションが積み上がっているので、暴落の可能性が少なくなる)、もとより20~40年債は全くヘッジ手段がなく、つまりヘッジポジションが存在せず暴落に対処ができないのです。

 その中でも20年債は一番発行額が大きく(年間14.4兆円)利回りも低いため、今のうちにストライク2.5%、期間1年程度のプットオプションを店頭取引で掻き集めます。少なくとも「平常時」だったら20年・2.5%は投資採算に合う機関投資家もいるはずなので、比較的安価で買えるように思えます。

 その後で「財務省の陰謀、知らないうちに長期債の山」「日銀は長期債暴落に全く無力」「自民党政権の国土強靭化政策で100兆の国債追加発行」「銀行や年金に巨額の評価損」「あなたの預金や年金が危ない」などとやや誇張して流すと、マスコミや評論家や女性作家がヒステリックにもっと誇張して騒ぎを大きくしてくれます。

 すぐには効かないので、何度も何度も繰り返します。海外から流すともっと効果があります。

 さらに一番発行額・流通量が少ない40年債を品借りして「成り行き売り」します。多分少額でびっくりするほど値下がりし、その利回りを見てまたパニックが起こるはずです。

 当然にプットオプションは、暴落時にはボラティリティが急上昇するため、別にストライクの2.5%に届かなくても反対決済すればよいのです。その時は「いくらでもいいのでプットオプション」を買いたい投資家が出ているはずです。

 繰り返しですが、小さい無責任な行動・言動が積み重なると、国益を大きく損ねるのです。





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東洋経済新報社
真壁 昭夫

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