検証:資産家夫婦殺害事件…殺害の資産家も投資、クロニクルという会社 (東洋経済オンライン編集部)

殺害の資産家も投資、クロニクルという会社
業績不振、虚偽記載疑義で八方ふさがり
東洋経済オンライン編集部 :2013年02月01日



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資産家夫婦殺害事件でにわかに注目を集めているのがジャスダックに上場しているクロニクルという会社である。

殺害された霜見誠さんがファンドマネジャーを務めていた「Japan Opportunity Fund(JOF)」は、2011年12月にクロニクルの新株予約権(株式を購入する権利)72個を引き受けたのに続き、12年6月にはクロニクルの新株予約権を引き受けていた別の先(Red Drum Invest Limited)からその予約権を158個譲渡されている。JOFとクロニクルの関係の深さに、市場の関心も集まりつつある。

クロニクルとはいったいどんな会社なのだろうか。

決算書類に虚偽記載疑義、取締役も選任できず

クロニクルとは宝飾品事業とWEB事業を2本柱とする企業だが、業績が低迷しているだけでなく、数々の問題を抱えている。

1月25日には「過去の決算において会計処理の訂正を要する可能性があるために、第三者委員会を設置する」と発表した。つまり、有価証券報告書(企業の決算書類)に虚偽記載の疑義があるというわけだ。

クロニクルを取り巻く暗雲はこれだけではない。昨年12月21日に開催された定時株主総会では、取締役4名の選任を決議することができなかった。現在は任期満了した取締役が業務を遂行しているという状況で、すぐにでも臨時株主総会を開催しなくてはならないのだが、そのメドは立っていない。

業績のほうはというと、営業赤字が続いていて、直近の決算書類には、会社の事業継続性に対する疑問である「継続疑義の前提に関する注記」が付いている。

会社側は今13年9月期で営業赤字を脱却するとしているが、これは新株予約権の行使によって実際に株式が発行され、その購入資金が払い込まれて運転資金の調達ができるという前提に基づくものだ。実際は行使が進んでおらず、業績回復はかなり厳しい。

孫会社が薬事法違反の過去も

1月31日には、結婚情報サイトやWEB広告を展開する子会社と孫会社を売却し、宝飾品事業に経営資源を集中すると発表した。しかし、12年の年末商戦でも宝飾品の売り上げは芳しくなかった。新店を出したり、品ぞろえを拡大しようにも資金が不足していてはどうにもならない。

過去には11年に孫会社が無許可でサプリメント販売をしたため、薬事法違反で孫会社社長と同社従業員1名が神奈川県警に逮捕されるといった事件も起きている。この結果、孫会社はNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3社から公式サイトの運営契約を解除されてしまった。

継続疑義の注記、決算書類の虚偽記載疑惑、運転資金不足、本業の低迷、ガバナンス欠如と八方ふさがりの状況は続く。

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