立川談志との逸話も… 火災「かんだやぶそば」再開へ待望の声
立川談志との逸話も… 火災「かんだやぶそば」再開へ待望の声
ZAKZAK2013.02.21
火災で屋根の一部が抜け落ちた「かんだやぶそば」。談志さんと一戦を交えたことも
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19日に火災を起こした東京・神田淡路町の「かんだやぶそば」。作家、池波正太郎ゆかりの店として知られ、また江戸落語とは切っても切れない縁の老舗に早くも再開を期待する声が高まっている。
老舗の江戸三大蕎麦には藪・砂場・更科の三系列があり、このうち藪はつゆの辛みが強く、「江戸っ子はつゆをちょっとだけつける」と落語のたとえ話にも登場。1880年創業の「かんだやぶそば」と「並木藪蕎麦」「池之端藪蕎麦」が藪蕎麦御三家とされる。「かんだやぶそば」の近くには1955年ごろまで神田立花演芸場があり、多くの芸人に愛された。
あの立川談志と「かんだやぶそば」が、一戦交えたことがある。
「つゆが辛いから何とかしろ、と注文を付けたところ、『うちはこれでやってますから』と一歩も引かなかったそうです」と当時を知る関係者。
健啖家として知られる柳家さん生は、普段着が着物という生活を送っているため「常にたもとには気を付けている。中華料理のテーブルなんて高くて高くて」と嘆く。ところが「かんだやぶそば」はしっくりくるという。
「和服には面倒がなくていいんです。テーブルが低くて、小上がりの席でも着物がじゃまにならない」と日本人の大半が着物を着ていた当時のしつらえを称賛していた。
そばを題材にした落語「時そば」「そば清」などは、ひんぱんに高座にかけられる。扇子を箸に見立て、そばをすするしぐさは「そばっ食い」の見せ場。聴き手は「落語家=そばの食べ方が上手」と勝手に思い描いてしまう。
人間国宝になった先代の柳家小さんともなれば、さぞ名人芸の食べ方だろうと周囲は固唾をのんで期待する。
「小さん師匠がそばを食べていたら、周りから『あら、小さんじゃない。さすがに上手よね』というささやきが聞こえた。当人、サービス精神旺盛ですから、ついついおかわりして、周囲に楽しんでもらったそうです」(寄席関係者)
現在の木造2階建ての店舗は大正12(1923)年に建設されたもので都の歴史的建造物に指定されていた。
4代目の店主は「建物は解体することになると思うが、半年後には再開したい」と再建を誓っている。東京大空襲を免れ、そば通をうならせた建物は姿を変えても、そばをたぐる芸人が通う様子がまた見られる日を心待ちにしたい。 (落語コラムニスト・渡邉寧久) =敬称略
ZAKZAK2013.02.21
火災で屋根の一部が抜け落ちた「かんだやぶそば」。談志さんと一戦を交えたことも
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19日に火災を起こした東京・神田淡路町の「かんだやぶそば」。作家、池波正太郎ゆかりの店として知られ、また江戸落語とは切っても切れない縁の老舗に早くも再開を期待する声が高まっている。
老舗の江戸三大蕎麦には藪・砂場・更科の三系列があり、このうち藪はつゆの辛みが強く、「江戸っ子はつゆをちょっとだけつける」と落語のたとえ話にも登場。1880年創業の「かんだやぶそば」と「並木藪蕎麦」「池之端藪蕎麦」が藪蕎麦御三家とされる。「かんだやぶそば」の近くには1955年ごろまで神田立花演芸場があり、多くの芸人に愛された。
あの立川談志と「かんだやぶそば」が、一戦交えたことがある。
「つゆが辛いから何とかしろ、と注文を付けたところ、『うちはこれでやってますから』と一歩も引かなかったそうです」と当時を知る関係者。
健啖家として知られる柳家さん生は、普段着が着物という生活を送っているため「常にたもとには気を付けている。中華料理のテーブルなんて高くて高くて」と嘆く。ところが「かんだやぶそば」はしっくりくるという。
「和服には面倒がなくていいんです。テーブルが低くて、小上がりの席でも着物がじゃまにならない」と日本人の大半が着物を着ていた当時のしつらえを称賛していた。
そばを題材にした落語「時そば」「そば清」などは、ひんぱんに高座にかけられる。扇子を箸に見立て、そばをすするしぐさは「そばっ食い」の見せ場。聴き手は「落語家=そばの食べ方が上手」と勝手に思い描いてしまう。
人間国宝になった先代の柳家小さんともなれば、さぞ名人芸の食べ方だろうと周囲は固唾をのんで期待する。
「小さん師匠がそばを食べていたら、周りから『あら、小さんじゃない。さすがに上手よね』というささやきが聞こえた。当人、サービス精神旺盛ですから、ついついおかわりして、周囲に楽しんでもらったそうです」(寄席関係者)
現在の木造2階建ての店舗は大正12(1923)年に建設されたもので都の歴史的建造物に指定されていた。
4代目の店主は「建物は解体することになると思うが、半年後には再開したい」と再建を誓っている。東京大空襲を免れ、そば通をうならせた建物は姿を変えても、そばをたぐる芸人が通う様子がまた見られる日を心待ちにしたい。 (落語コラムニスト・渡邉寧久) =敬称略










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