【始めま専科】 美術館巡り まず好みの作家探そう (東京新聞2013年5月9日)

【始めま専科】
美術館巡り まず好みの作家探そう
東京新聞2013年5月9日



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ぬくもりのある美術館にしたいと思っていますと話す江口健主任学芸員=サトエ記念21世紀美術館で

 美術館巡りも楽しそうだけれど、鑑賞の仕方が分からない。大きな美術館にゴッホやルノワールが来れば見に行くんですが…。こういう方も多いだろう。今回は私立や地方の美術館巡りについて、サトエ記念21世紀美術館(埼玉県加須市)の江口健主任学芸員にナビしてもらった。
 取材時にちょうど開かれていたのが藤井勉展。東北の自然を背景に自分の娘さんを描いた絵が多い。「この人の絵が好きで、今日で3度目なんです」という女性がみえていた。
 うれしそうに話を聞いていた江口さんが話す。「好みの作家が見つかるのが一番なんですよ。それを探すのにあちこち見て回るのが楽しみ方の一つです」
 とは言っても、「ただ漠然と見て回っても」と持ち掛けると、「私立の美術館は、よくも悪くもわがままにできている。展示内容も美術館の立地も展示する人の個性が生かされるせいです。その個性を感じ取ってもらえれば」と江口さん。
 「何でこんなところに造ったんだろ、という場所にある美術館が多いんです。でも周りの自然、街の様子も含めて見ると、その作家が育まれた空気が分かる。この作家はどんな子どもだったのだろうと想像しながら見てください」という。
 一例として「原爆の図・丸木美術館(埼玉県東松山市)」を挙げる江口さん。「近くに川が流れ、自然の中に美術館がある。夫妻がそこで生活しておられたことが基本にあると思います」と話す。
 とっつきにくい抽象アートの鑑賞方法も聞いた。「クイズと思ってください。タイトルを手掛かりに『なぜこれが芸術なのか』と。答えがないのが困りものですが…。作家は答えを用意していることもありますが、それが間違っていたりしますから」とのことだった。(仁)
●常設展と企画展
 「『サトエ』の場合でも年2回、常設展示を替えます。公立などでは年3、4回替えるところも。そのほかに企画展がありますから、同じ美術館でも訪れる時期が違うと別の展示を楽しめます」と江口さん。「常設展がいつもの景色なら、企画展はそこで行われる花火大会と思ってください」という。
☆ ☆ ☆
 サトエ記念21世紀美術館 埼玉県加須市水深大立野2067、東武伊勢崎線花崎駅徒歩15分。日本庭園と彫刻と絵画が充実。「木のぬくもりと癒やしを感じる美術館にと思ってます」と江口さん。9月1日まで「埼玉ゆかりの芸術家展~郷土の表現者たちの心の旅~」を開催中。入館料一般900円、大高生700円、中小生600円。原則月曜休館。(電)0480・66・3806
◆極めれば
 本文中にあるように「自分の好きな作家が見つかるのが一番では…」と江口さん。
 当面は…「まずは住んでいる地域や自分のふるさとのアーティストを知ってください。そのうえで貪欲にアンテナを広げて、いろんな情報を集めて、足を運んでください」(江口さん)。作家の経歴や作風の変化などを知ることで、作品への理解が深まる。

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