【細川・小泉連合 最後の聖戦】 財界系メディアから細川元首相に都知事選への撤退工作あった

財界系メディアから細川元首相に都知事選への撤退工作あった
NEWSポストセブン2014.01.30 16:00

http://www.news-postseven.com/archives/20140130_238549.html


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 1月23日の東京都知事選の告示日、新宿、渋谷で細川護熙、小泉純一郎の両元首相がマイクを握ると、街頭演説には黒山の人だかり。熱の籠もった小泉節は健在だった。

「震災による原発事故でいてもたってもいられなくなった。日本人はピンチをいつもチャンスに変えてきたし、今回も日本を変えるチャンスだ。それなのに、なぜ、変えないんだ。やればできることを、なぜやらないのか!

 私もかつては専門家のいうことを信じた。『原発は安全でクリーンで安いエネルギーだ』と。元総理として不明を恥じる。原発は安全ではない。コストだって安くない。いきなり原発ゼロはできないというけれど、いま1基も動いていないじゃないですか!」

 演説が佳境に入ってくると、後ろで聞いていた細川氏は、感極まったのか、思わずハンカチで涙を拭った。

 その頃、首相官邸では、スイス訪問中の安倍晋三首相の留守番をしている菅義偉・官房長官が険しい表情を隠さなかった。

「なんだ。結局、出てきたのか」──。

 自民党が独自に18、19日に行なった都知事選世論調査では、「舛添氏41ポイント、細川氏16ポイント、宇都宮氏15ポイント」と舛添氏が他の2人にトリプルスコアをつけて突き放していた。菅氏も告示2日前まで、記者団とのオフ懇で、こう上機嫌だったのだ。

「最初からいってるでしょ。脱原発は都民のニーズと違うよね。やっぱり関心が高いのは福祉と五輪だ。小泉さんと2人揃って会見してから、細川さんの支持率下がっているんでしょ。都知事選はそんなに甘くないんだよね」

 なのに、なぜ告示日には打って変わって、表情を曇らせていたのか。実は、官邸はギリギリまで、細川氏に立候補を断念させるべく工作を続けていて、実際に出馬を見送るという見方も多かったのだ。自民党都連幹部が語る。

「殿様はうちの調査結果を知って動揺し、公約発表をズルズル引き延ばして出馬辞退に大きく傾いていた。財界やメディア界の大物たちも、『大敗すれば細川家の名前に傷がつく』と名誉ある撤退を進言していたし、細川側近でさえ別の候補を探していた。そうなったら舛添候補の“不戦勝”だった。ところが、あきらめの早いはずの殿様が、今回はなぜか出馬に踏み切った」

 土壇場で細川氏の背中を押したのは何だったのか。それが、小泉氏の存在だった。

 本誌前号(1月31日号)でスッパ抜いたように、1月14日の細川氏との会談で「赤穂浪士の誓い」を交わしていた小泉氏は、迷いが見えた細川氏に、「電話で“討ち入り決行”を迫った」(細川周辺)のだという。

 こうなると、官邸・自民党も「小泉―細川」潰しに本気になるしかなくなった。政権の意を汲む大メディアが脱原発連合に浴びせるバッシングの集中砲火も激しさを増している。

 批判のパターンは各紙特徴がある。日経や産経が展開しているのが、「反原発は国政でやれ」という主張だ。
〈細川氏は首相経験者だ。「原発政策は国の存亡にかかわる」と思うなら、国政に復帰して仲間を募り、自らの主張の実現に取り組むのが筋だ。細川氏とタッグを組む意向を表明した小泉純一郎元首相も同じではないか〉(日経1月15日付)

 一見、正論に聞こえるが、安倍政権が原発再稼働の手続きを着々と進める一方で、国政選挙は2年後の参院選まで予定されていない。両紙の主張は、何人も次の国政選挙まで国政にノーはいわず、再稼働を指をくわえて見ておけばいいと、政治行動を封じ込めるに等しい。

 毎日はワンフレーズ政治と呼ばれる小泉氏の手法を〈今回も通用するとは限らない〉と批判。

 読売は、ジャーナリスト・池上彰氏の著書の中で細川氏が、「オリンピックで金メダルをたくさん取るよりも、いまこの時代に原発をどうするかということのほうが、日本の将来にとってよほど重要な話のはずだ」と発言し、「五輪返上」に言及していることを、「五輪返上となれば国際的信用を失う」と執拗に批判している。しかし、実際に知事選公約で“五輪返上”を掲げたわけではない。

「読売は東京五輪の招致スポンサーで、社内にオリンピック・パラリンピック事務局を設置して準備に余念がない。その五輪を『原発をどうするかの方が重要』と否定されたことに反感を持っている」(他紙の編集幹部)
※週刊ポスト2014年2月7日号



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