アマゾンの歴史が凝縮…『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』 (ブラッド・ストーン 著 井口耕二 訳)

アマゾンの歴史が凝縮
『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』 (ブラッド・ストーン 著/井口耕二 訳)


評者 横田 増生

週刊文春2014.03.04 07:01

http://shukan.bunshun.jp/articles/-/3697


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ブラッド・ストーン/ブルームバーグ・ビジネスウィーク誌のシニアライター。ニューズウィーク誌、ニューヨーク・タイムズ紙などで15年にわたり、アマゾンやシリコンバレー企業について報道してきた。サンフランシスコ在住。 日経BP社 1800円+税

「ジェフ・ベゾス 果てなき野望 - アマゾンを創った無敵の奇才経営者」ブラッド・ストーン著、井口耕二、滑川海彦訳(日経BP社 1,890円)


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アマゾン創業者ジェフ・ベゾス、奇才経営者の実像に迫る物語
インターネットに大きく賭け、買い物や読書の習慣を大きく変えてしまったアマゾン創業者、ジェフ・ベゾス。本書は、その奇才の生い立ちから現在までを詳細に追った物語である。
宇宙に憧れた聡明な少年が、ウォールストリートの金融会社をへて、シアトルで創業。当初はベゾス夫婦とエンジニアのたった3人でアマゾンを始めた。
そこからベゾスの快進撃は始まる。

時に部下を叱りつけ、ありえない目標を掲げ、けたたましく笑う。
そうして小売りの巨人ウォルマート、大手書店のバーンズ&ノーブルなどとの真っ向勝負に立ち向かってきた。ベゾスのビジョンは、「世界一の書店サイト」にはとどまらない。「どんなものでも買えるお店(エブリシング・ストア)を作る」という壮大な野望に向けて、冷徹ともいえる方法で突き進んでいく。

■急成長したアマゾンの手法がわかる!
ジェフ・ベゾスとアマゾンの経営手法は独特だ。10年以上先を見据えて、必要とあれば赤字もまったくいとわない。買収したい会社があれば、相手の体力が尽きるまで価格競争を仕掛けて追い込む。投資家から批判されても、巨大な物流システムやクラウド「AWS」、電子書籍「キンドル」などの新規事業には、巨額の投資を続ける。電子書籍の普及に向けて、出版社には言わずに卸値を下回る1冊9ドル99セントで電子書籍を売りまくる。数字と情熱を重要視する合理的で冷徹な手法を解説している。

■ベテラン記者がベゾスの許可を得て記した最高のノンフィクション
著者は、ニューズウィーク誌、ニューヨーク・タイムズ紙、ビジネスウィーク誌でジェフ・ベゾスやアマゾンの記事を書いていたベテラン記者。ジェフ・ベゾス自身はマスコミ嫌いで有名だが、長年の著者の実績から、本書に関しては、ジェフ・ベゾス自身がアマゾン幹部や親族や友人への取材を許可した。著者は本書のために、300回以上も関係者に取材。
ベゾス自身が40年以上音信不通だった実の父も探し当てて話を聞いた。

原書は『The Everything Store』
フィナンシャル・タイムズ紙とゴールドマン・サックスが共催する「Business Book of the Year2013」を受賞!


ジェフ・ベゾス 果てなき野望
日経BP社
ブラッド・ストーン

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ジェフ・ベゾス 果てなき野望 - アマゾンを創った無敵の奇才経営者 [ ブラッド・ストーン ]
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ブラッド・ストーン 井口耕二 日経BP社 日経BPマーケティンアマゾン 起業 発行年月:2014年0


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・発売日:2014年01月
・著者/編集:ブラッド・ストーン, 井口耕二
・出版社:日経BP社 , 日経BPマーケティン
・サイズ:単行本
・ページ数:502p
・ISBNコード:9784822249816

【内容情報】
インターネットに大きく賭け、買い物や読書の習慣を大きく変えてしまったアマゾン創業者、ジェフ・ベゾス。本書は、その奇才の生い立ちから現在までをベテランジャーナリストが追った物語である。フィナンシャル・タイムズ紙、ゴールドマン・サックス共催ビジネスブック・オブ・ザ・イヤー2013受賞!

【目次】
第1部 信念を貫く
アマゾンは金融工学の会社から生まれた
冷たい目を持つ聡明な男
ベゾスの白昼夢と社内の混乱
宿敵アナリストに打ち勝つ
第2部 書店サイトだけでは終わらない
ロケット少年
混乱続きの物流システム
テクノロジー企業であって小売企業ではない
キンドル誕生
第3部 伝道師か、金の亡者か
グーグル、アップルと並ぶ会社になる
ご都合主義
疑問符の王国

【著者情報】
ストーン,ブラッド(Stone,Brad)
ブルームバーグ・ビジネスウィーク誌のシニアライター。ニューズウィーク誌、ニューヨーク・タイムズ紙などで15年にわたり、アマゾンやシリコンバレー企業について報道してきた。カリフォルニア州サンフランシスコ在住

井口耕二(イノクチコウジ)
1959年生まれ。東京大学工学部卒、米国オハイオ州立大学大学院修士課程修了。大手石油会社勤務を経て、1998年に技術・実務翻訳者として独立。翻訳活動のかたわら、プロ翻訳者の情報交換サイト、翻訳フォーラムを友人と共同で主宰するなど多方面で活躍している

滑川海彦(ナメカワウミヒコ)
千葉県生まれ。東京大学法学部卒。東京都庁勤務を経てフリー。IT分野の評論と翻訳を手がける。ITニュースブログ「TechCrunch Japan」翻訳チーム


ジェフ・ベゾス 果てなき野望-アマゾンを創った無敵の奇才経営者
日経BP社
2014-01-09
ブラッド・ストーン

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時に部下を叱りつけ、ありえない目標を掲げ、けたたましく笑う。そうして小売りの巨人ウォルマート、大手書


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原書の書名は“The Everything Store”。意訳すれば、無限に商品がそろう店舗といったところか。ベゾスがこの構想を抱いたのはアマゾン設立以前のことで、足掛かりとして書籍から着手した、という。

大量の商品を抱え、ネット通販事業を成功させるのに不可欠だったのが、物流センターだ。評者は本書を、アマゾンが成功した要因である物流センターと無料配送に焦点を当てて読んだ。

評者が〇三年から市川市にある同社の物流センターで働き『潜入ルポ?アマゾン・ドット・コム』を書いた時、日本国内のセンターは一カ所だけで、延べ床面積は二万平方メートル足らず。それが現在では九カ所に増え、総延べ床面積は約六十万平方メートルにまで膨らんでいる。

この物流センターで商品を自社の在庫として持つため、迅速、かつ確実に顧客に届けることが可能となる。本国アメリカや日本においてアマゾンがあまたある他のネット通販業者を圧倒して拡大していった一つの勝因である。

本書によれば、ベゾスは九〇年代後半、ウォルマートから複数の人材を引き抜いて物流センター業務の土台を作る。しかし従来型の小売りの大量ロットの仕組みは少量多品種の典型であるアマゾンの配送には向いていないとして、自社でソフトウェアを書き直し、精度を高めていく。

アマゾンのもう一つの成功要因は送料無料だ。アメリカでは〇二年からはじめ、〇四年には年会費七十九ドルで二日間で配送する〈Amazonプライム〉を開始する(日本では三千九百円)。赤字覚悟で始めたこのサービスこそが、その後のアマゾンの急成長を後押しする。

本書には、もちろん物流以外にも、アマゾンの税金問題や人材が定着しない社内風土、出版社や宅配企業のUPSといった取引企業との激しい軋轢(あつれき)なども描かれており、創業から二十年のアマゾンの歴史が凝縮された一冊といえる。


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