【特集 カープ女子】 コイの季節 「カープ女子」関東に進塁 (東京新聞2014年5月31日 朝刊)

【スポーツ】
コイの季節 「カープ女子」関東に進塁
東京新聞2014年5月31日 朝刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/sports/news/CK2014053102000110.html


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ヤクルト戦で神宮球場の左翼席を埋める広島ファン=今月6日

 プロ野球の12球団でリーグ優勝から最も遠ざかっているセ・リーグの広島が、進撃を続けている。20日からの交流戦は出足こそ4連敗とつまずいたものの、その後に持ち直し、29日のロッテ戦はエースの前田が力投してリーグで30勝一番乗り。1991年以来23年ぶりの栄冠を目指している。「カープ女子」と呼ばれる熱烈な若い女性ファンを中心に人気が沸騰。その盛り上がりは関東にも波及している。

 ◇敵地でもドル箱

 本拠地のマツダスタジアムでは、1試合平均の観客数が昨季に比べて2000人近く増の2万3546人(29日現在)。昨季より軒並み下回る他球団とは対照的で、このまま優勝争いを続ければ動員数は加速度を増すはずだ。カープ人気は敵地、特に関東の球団にも波及しており、ヤクルト球団営業部の黒石誠治課長は巨人、阪神に代わるドル箱になったとした上で「赤いユニホームばかりで(神宮球場が広島の)本拠地みたいになる」と驚く。17日の広島戦で今季のプロ野球では最多の4万6761人を動員した巨人の関係者も「営業的には広島さまさまです」と複雑な心境をうかがわせた。

 ◇新幹線代負担

 資金力に欠ける広島は、93年にフリーエージェント(FA)とドラフトでの逆指名の両制度を導入されてから主力選手の流出が続き、有力新人の獲得でも苦しんだ。観客動員も2009年にオープンした新球場効果に陰りが出て、近年は頭打ちだった。

 それが巻き返しに転じたのは、今季の好成績に加えて女性ファン獲得に狙いを定めた球団の戦略による効果もある。10日に行われた本拠地での中日戦では「関東カープ女子ツアー」を実施。関東在住の女性ファンを対象に往復の新幹線代を球団が負担し、チケット代と食事代の6500円だけで観戦できるイベントを催した。

 昨季限りで現役を引退し、球団とアドバイザー契約を結んだ前田智徳氏が見どころを解説して記念撮影。資生堂による「メーキャップ講座」もあり、爪をカープ色の赤に染めて観戦した。「カープ女子限定昼食」では豪華なスイーツも楽しむことができるなど至れり尽くせりだ。

 約400万円の赤字企画だという松田元(はじめ)オーナーは「すぐに投資を回収できるとは思わないが、何人かがまた球場に来てくれれば」と長期的視点に立った戦略を強調した。

 ◇人間味が魅力

 このような営業努力とチーム成績が相乗効果となったのが現在のカープ人気。巨人やソフトバンクのように補強に頼らず、堂林翔太内野手ら生え抜き選手を地道に育てて強化につなげていることも共感を呼んでいる。今年は大型新人の大瀬良大地投手が入団。東京・銀座の広島県のアンテナショップでは、球団グッズの売り上げが昨年の2倍以上だという。

 JTBパブリッシングは昨年3月に1球団の特集としては初となる「るるぶ広島カープ」を20、30代の女性をターゲットに発刊し、初版の3万5000部はほぼ完売した。勇上(ゆうがみ)香織編集長は「若い選手が育っていく過程が面白いのでは」と女性から支持される理由を憶測。関東の広島ファンに向けた学生制作のフリーペーパー「Capital」の若山優里奈編集長も「人間味あふれる温かいチームが魅力。(球場に)若い人がどんどん初観戦の人を連れてくる」と話す。

 これらの現象を松田オーナーは「若い選手を育て、強いチームに勝つという球団の考えに賛同してくれているのでは」と分析し、勢いが続くことを期待した。

<広島東洋カープ>

 1950年、被爆地の広島を復興するための象徴として誕生した市民球団。長期低迷を経て75年に古葉竹識監督の下で初のリーグ優勝。初の日本一は79年で山本浩二外野手、衣笠祥雄内野手や抑えの江夏豊投手らが活躍し、80年には2年連続日本一に輝いた。リーグ優勝6度、日本一3度。本拠地は2009年に広島市民球場からマツダスタジアムに移転。

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