【著者インタビュー】 「電子立国は、なぜ凋落したか」西村吉雄氏

著者インタビュー
「電子立国は、なぜ凋落したか」西村吉雄氏
日刊ゲンダイ2014年8月21日

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/152722


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(C)日刊ゲンダイ

「電子立国は、なぜ凋落したか」西村吉雄著(日経BP社 1,944円税込)


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「日経テクノロジーオンライン」のNo.1人気連載「電子立国は、なぜ凋落したか」を書籍化。電子立国の再興に光はあるのか。 技術ジャーナリストの西村吉雄氏が、政策・経済のマクロ動向、産業史、電子技術の変遷などの多面的な視点で、電子立国が凋落した本当の原因を解き明かしていく。


電子立国は、なぜ凋落したか
日経BP社
西村 吉雄

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電子立国は、なぜ凋落したか [ 西村吉雄 ]
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西村吉雄 日経BP社 日経BPマーケティン発行年月:2014年07月 予約締切日:2014年07月0


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・発売日:2014年07月
・著者/編集:西村吉雄
・出版社:日経BP社 , 日経BPマーケティン
・サイズ:単行本
・ページ数:270p
・ISBNコード:9784822276980

【内容情報】
かつて世界を席巻し、自動車と並ぶ外貨の稼ぎ頭だった日本の電子産業。今や、それは夢まぼろしである。そうなってしまった本当の原因は何か。多面的な視点で解き明かす。

【目次】
第1章 大きな産業が日本から消えようとしているー日本のICT産業の貿易赤字は「天然ガス」並み
第2章 分かっていたはずの「地デジ特需」終了ー日本製テレビが盛んに輸出されていたのは1985年まで
第3章 100年ぶりの通信自由化がもたらしたものー「自由化」「モバイル」「インターネット」の大波に翻弄された通信市場
第4章 鎖国のときは栄え、開国したら衰退ー市場のグローバル化で精彩を失った日本のパソコン
第5章 「安すぎる」と非難され、やがて「高すぎて」売れなくなるー日本のDRAM産業の栄枯盛衰
第6章 日本の半導体産業、分業を嫌い続けた果てに衰退ー半導体産業でも設計と製造の分業で進む
第7章 アップルにも鴻海にもなれなかった日本メーカーーファブレス・メーカーとEMSが製造業を再定義
第8章 イノベーションと研究を混同した日本電子産業ー技術革新はイノベーションではない
第9章 成功体験から抜け出せるかー工本主義による保護は工業を元気にはしない

【著者情報】
西村吉雄(ニシムラヨシオ)
技術ジャーナリスト。1942年生まれ。1971年に東京工業大学大学院博士課程修了、工学博士。東京工業大学大学院に在学中の1967~1968年に仏モンペリエ大学固体電子工学研究センターに留学、マイクロ波半導体デバイスや半導体レーザーの研究に従事。1971年に日経マグロウヒル社(現在の日経BP社)入社。1979~1990年、『日経エレクトロニクス』編集長。その後、同社で、発行人、調査・開発局長、編集委員などを務める。2002年、東京大学大学院工学系研究科教授

電子書籍


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かつて世界を席巻し、自動車と並ぶ外貨の稼ぎ頭だった日本の電子産業。 今や、それは夢まぼろしである。そ


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 日本にとって電子産業は、自動車産業と並ぶ外貨の稼ぎ頭だった。しかし、現在でも12兆円の貿易黒字を確保している自動車産業と比較し、電子産業の凋落は甚だしい。

「1990年ごろには10兆円近かった電子産業の貿易黒字は減少を続け、2013年には赤字に転落しました。売れすぎて貿易摩擦まで起こしていた日本の電子産業がなぜここまで駄目になったのか。それを追究するために執筆したのが本書です」

 一般社会が日本の電子産業の凋落を実感したのは薄型テレビで活況を呈していたテレビ産業に元気がなくなった2012年ごろだろう。

「貿易収支が減少の一途をたどる中、実はテレビの内需と生産は2003年から急増を見せました。2003年といえば、3大都市圏の地上デジタル放送開始年で、“地デジ特需”が始まったわけです。しかし、それも2010年末と11年6月のピーク以降は壊滅的に急減。地デジ特需は、11年7月のアナログ停波と同時に終わることは分かり切っていたはずです。にもかかわらず、日本のテレビメーカーは活況を呈していた07年ごろから大型投資を進めた。経営陣は特需終了後の供給過多に対する見通しが甘く、かつての成功体験から抜け出せずに設備投資という誘惑に負けてしまったのでしょう」

 地デジ化はテレビとインターネットが親和した新しい産業誕生の契機になり得た。しかし、既存放送事業者はインターネットとの親和を嫌い、新ビジネスの導入は排除された。

「イノベーションを嫌っては、産業を発展させることは難しい。日本ではイノベーションを、より新しく高性能なものを創造する技術革新と捉えられていますが、大きな間違いです。イノベーションとは、“既存の物”の組み合わせを革新することで新たな価値を実現する行為。高品位ばかりを追求しがちな日本の電子産業には、大きく欠けている部分です」

 本書では、パソコンや半導体などの各種の電子産業についても凋落の要因を探っていく。いずれもイノベーションを捉え違えていることや、かつての成功体験から抜け出せない体質などが浮き彫りにされている。電子産業の轍を踏まぬよう、本書から学びたい。

(日経BP社 1800円)

▽にしむら・よしお 1942年生まれ。工学博士。71年、日経マグロウヒル(現在の日経BP社)に入社。「日経エレクトロニクス」編集長、東京大学大学院工学系研究科教授などを経てフリーランスの技術ジャーナリストに。著書に「電子情報通信と産業」など。