【書評】空海の思想 竹内 信夫 著 (ちくま新書・907円) (東京新聞2014年8月24日)

【書評】
空海の思想 竹内 信夫 著 (ちくま新書・907円)
 
東京新聞2014年8月24日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2014082402000177.html

◆いまを生きぬく力与える


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「空海の思想」(ちくま新書)竹内信夫著(筑摩書房 907円税込)


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ちくま新書 竹内信夫 筑摩書房発行年月:2014年07月07日 ページ数:268p サイズ:新書 I


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・発売日:2014年07月07日頃
・著者/編集:竹内信夫
・出版社:筑摩書房
・サイズ:新書
・ページ数:268p
・ISBNコード:9784480067852

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
七世紀に勃興したイスラームの東進に抗してインド仏教は大きく変化する。マントラ(真言)を中心に据え、それを唱える身体的修行によって精神の在り様の根本的転換を図ろうとする図ろうとする新しい仏教が姿を現す。それは「密教」と呼ばれ、七世紀中頃から八世紀初めに中国に伝播する。その仏教の激動期に空海は生まれ、新しい教えを求めて入唐する。そこで空海は何を得たのだろうか。空海が遺した言葉に向き合うことによって、中世的「弘法大師」信仰を解体し、空海の言葉に込められた「いのちの思想」に迫る。

【目次】
序章 空海の真実を求めて
空海とわたし
立ちはだかる難関 ほか
第1章 空海の願文ー「一切衆生、皆これ我が四恩なり」
空海の願文、その歴史的位相
空海の願文、その様式 ほか
第2章 「即身成仏」とは何か?-「父母所生の身において、速かに大覚位を証す」
「即身成仏」の義を求めて
『菩提心論』を読むー「即身成仏」の予備的考察 ほか
第3章 「声字実相」とは何か?-「声字分明にして、実相顕る」
マントラ(真言)とは何か?
マントラは梵語で読むべし ほか
終章 「万灯万花会の願文」-「虚空尽き衆生尽きなば、涅槃尽き我が願いも尽きなん」
多忙な空海
万灯万花会の願文 ほか

【著者情報】
竹内信夫(タケウチノブオ)
1945年大阪に生まれる。戦火を避けて疎開、大学進学まで実家に暮らす。高松高校、東京大学、ソルボンヌ大学を経て、1975年東京大学助手。その後明治学院大学講師、東京工業大学、東京大学助教授を経て東京大学大学院教授。専門はフランスの文学・思想。特にマラルメ研究に貢献。50歳を期して空海研究を開始。2007年定年退職後、生家に隠居、空海研究に没頭。2009年空海塾開講、2013年7月空海学会設立、幹事長を務める。

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[評者]篠原資明=京都大教授

 一読ガツンと来た。要するに蒙(もう)をひらかれたのだ。それくらい本書は、空海について根源的に新しい視野を開いてくれる。ここで根源的というのには少なくとも二つの意味がある。

 まず、空海のテクストについては、これまでも折に触れて指摘されてきたとおり、本格的な校訂作業がなされてこなかった。後世の人たちのメモや書き込みが紛れこんでいるため、どこまでが空海の著作かわからなくなっているのだ。著者は、ツタのように絡みついた混入物を徹底して除きさろうとするのである。

 第二に、そのような作業が無味乾燥な穿鑿(せんさく)にとどまるのではなく、空海その人への肉薄をとおして浮かびあがる思想が、いまを生きぬく力を与えてくれるというのだ。

 中世の弘法大師信仰によっておおわれた分厚いヴェールを剥(は)ぎとってみよう。そこから浮かびあがる空海は、あくまで釈迦(しゃか)への信仰を推し進めようとする菩薩(ぼさつ)仏教の人である。著者は大乗仏教といわず、菩薩仏教という。空海の密教とは、その菩薩仏教が展開する中で到達した先端にほかならない。

 ではなぜそれが、いまを生きぬく力を与えてくれるというのか。それは、「いのち」への目覚めへと導くからだ。四恩といい、衆生の救済といい、即身成仏といい、すべては、そのような観点から解釈される。ここで、著者によるもう一つの肉薄作業、すなわちベルクソンの主要著作を個人全訳するという作業が思いおこされよう。事実、空海思想とベルクソン哲学との交感めいたものを、著者は隠さない。

 ただ、評者のあくまで個人的な意見として、中世をとおして空海をおおっていくヴェールは、信仰というだけではすまない、もっと大きなものと関わるように思われる。それは、ひとことでいえば日本文明というほかないものだ。その意味で、本書が開いてくれる展望は、あらためて日本文明を再考するよう誘うといえるかもしれない。

 たけうち・のぶお 1945年生まれ。空海学会幹事長。著書『空海入門』など。

◆もう1冊 
 梅原猛著『空海の思想について』(講談社学術文庫)。空海の内面に迫りながら、世界を肯定する密教思想の魅力を分かりやすく解説。


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