【書く人】 男と並ぶ歴史の瞬間 『女はいつからやさしくなくなったか 江戸の女性史』 中野 節子さん 

【書く人】
男と並ぶ歴史の瞬間『女はいつからやさしくなくなったか 江戸の女性史』 元金沢大教授 中野 節子さん(66)
東京新聞2014年9月7日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/kakuhito/list/CK2014090702000177.html


画像


「女はいつからやさしくなくなったか 江戸の女性史」(平凡社新書)中野節子著(平凡社 907円税込)


画像





女はいつからやさしくなくなったか [ 中野節子 ]
楽天ブックス
江戸の女性史 平凡社新書 中野節子 平凡社発行年月:2014年07月15日 ページ数:254p サイ


楽天市場 by 女はいつからやさしくなくなったか [ 中野節子 ] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


・発売日:2014年07月15日頃
・著者/編集:中野節子
・出版社:平凡社
・サイズ:新書
・ページ数:254p
・ISBNコード:9784582857429

【内容情報】
中世以来の伝統にエロチックさを加味した「やさしさ」が、近世初期、ありうべき女性像の根本的な資質だった。けれども、漢字ブームが女たちをもとらえ、女筆の仮名の手習いから文字の上の平等の地平へと超え出るとき、新しい生活条件が求める新しい知識を欲求する彼女たちは「女大学」をむしろ例外とする儒教教育をも力としつつ、「艶にやさしい」存在であることから、地女という新形態へと脱皮する。地女とは何か?

【目次】
1 料理は男ー近世前期の女の仕事
2 女はやさしく
3 遊女も「やさしい」
4 「やさしい女」と「貞女」
5 漢字を書きたがる女たち
6 儒教と女性
7 やさしくない女たちー地女登場

【著者情報】
中野節子(ナカノセツコ)
1948年、金沢生まれ。金沢大学法文学部卒業。元金沢大学教授。専攻、日本近世史。博士

 女性の社会進出がかまびすしく叫ばれる現代。思わず手が伸びるタイトルだ。女の「やさしさ」とは何か、そしてそれが失われたのはいつか。江戸時代前半、女性向けに出された教訓書を数多く取り上げて、その問題を読み解いていく。

 日本近世史が専門。若いころから、権威や権力とは無縁の庶民を、研究対象に据えてきた。「歴史学は時代による変化を追う学問。一般の人が歴史を動かす現場が見たいんです」。本書も、たくさんの史料にあたることで、歴史学では光が当たることの少なかった、普通の女性たちの生の姿を浮かび上がらせる。

 江戸初期、女性に求められたのは「艶(えん)にやさしい」存在であることだったという。おっとりして、情け深く、しかも恋愛の情趣が分かり、風流や風雅に通じていることが理想とされた。男性の漢字に対し、文字はかな。かなは女性らしさの象徴だった。

 しかし、最新の高度な文化が漢字に乗って中国から入り始め、世の中は変わっていく。女性にも漢字ブームが巻き起こった。「漢字を習得したい、漢字を通して知識を得たいという欲求の表れでしょう」。一六九八年刊行の『壺(つぼ)の石文』には、こうした風潮をそしる文章が登場する。

 「このごろ、女性が真名(漢字)を書くことをもてはやすようだが(中略)腹立たしい」という意味の一節がそれだ。「見つけた時は小躍りして喜んだ。一つの時流としてとらえられるほど、漢字を書くのを『もてはやす』女性が多くいたのかと」。まさに、一般の女性たちが歴史を動かした瞬間。文字の上で、女性が男性に並んだことを感じさせる一文だった。

 経済の急速な発展とともに、彼女たちはやがて、やさしくない女性、「地女(じおんな)」へと変貌していく。社会の新たな担い手に成長した地女こそ「現代の女性たちの源流の一つです」。本書をまとめ、あらためて「私たち一人一人が歴史をつくっている」と確信した。

 進学率が高くなかった時代、金沢大で学び、教員として勤め上げた。自らも、女性の生き方に新しい歴史を刻んだ一人だ。現在は、史料十二万点を所蔵する金沢市の近世史料館に籍を置き、次の著書の構想を練る。「たくさんの史料に囲まれて幸せ。仕事は趣味。楽しくて仕方ないんです」

 平凡社新書・九〇七円。

 (宮川まどか)




ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0