「身代金要求に隠されたイスラム国の嘘と意図とは?」 鈴木宗男×佐藤優 東京大地塾レポート

「身代金要求に隠されたイスラム国の嘘と意図とは?」 鈴木宗男×佐藤優 東京大地塾レポート
[2015年02月12日]

http://wpb.shueisha.co.jp/2015/02/12/43410/


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鈴木宗男(左)と佐藤優がイスラム国の嘘と意図を暴く!

鈴木宗男・新党大地代表と、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏による対談講演会「東京大地塾」。

今回のテーマは、湯川遥菜さん、後藤健二さんを拉致、殺害したイスラム国についてだ。イスラム国の次の標的のひとつとして名指しされた日本は、今後どうすべきなのか?

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鈴木 1月7日、フランスで新聞社襲撃テロが起きた翌日に、イギリス保安局(MI5)のアンドリュー・パーカー長官が「フランスで起こったことは今後イギリス、いや西側諸国で起こるかもしれない」と警告を出しました。

めったに表に出ない保安局の人が、わざわざ出てきてコメントしたのには、テロに関するなんらかの情報を持っているからだと思うべきですね。

佐藤 先生がおっしゃるとおりで、1月7日から世界は変わったと思います。イスラム国が全世界に対して「世界暴力革命戦争」を仕掛け始めたわけです。

ただし、イスラム国との対応では、注意しなければならないことがある。

まず今回、後藤さんと湯川さんが拉致されて身代金が要求されました。私のところにもマスコミから、身代金は払うべきか払わないべきか、という電話がかかってきましたが、こういう問題には振り回されないよう注意しなくてはならない。というのも、これは「疑似命題」だからです。

疑似命題とは、例えば「ウサギの角の先は尖っているか、それとも丸いか? 議論してください」みたいなものです。しかし、これは回答できないんですよ。ウサギに角はないですから。

これと同じで、身代金は口では要求していても、実際に要求しているかは別なんです。1月20日に動画が出た時、イスラム国は2億ドルの身代金を要求しました。先生、デパートの一般的な紙袋に1万円札を詰めると、いくら入りますかね?


鈴木 5000万円がいいところじゃないですか。

佐藤 枚数にすると5000枚。すると、100ドル札を入れたら400袋必要になります。

しかし、100ドル札って世の中に意外と流通してないんですよ。アメリカでは街中のお店で受け取ってもらえませんから。その100ドル札を2億ドル分、72時間で集める。それも新札は連番になってて足がつくから旧札じゃないといけない。つまり、調達は実際問題、不可能なんです。

それに鈴木先生、1億円てどのくらいの重さですか?

鈴木 だいたい1000万円が1kgと思ったらいいですかね。

佐藤 つまり、1億円は10kg、2億ドルは約200億円なので2tもあるんですよ。でも、イスラム国の口座なんてないですから、身代金は銀行送金できない。キャッシュか金塊しかない。ところが金は今、1gだいたい5、6000円。2億ドルだと3、4tにもなります。こんなもん、どこでどうやって渡しますか?

人質事件は身代金の受け渡しのことを考えないとできない。結局、これは受け渡し不能な要求なんです。

鈴木 イスラム国は本気で金なんか要求してないですね。

佐藤 そうです。イスラム国側に交渉する意思はないんです。そもそも、おまえがこう言ってくるなら、こっちはここまで譲る。だから、おまえももっと下りろ、こういうやりとりが交渉なんです。つまり、イスラム国の言っていることは交渉ではなく、最後通牒(つうちょう)。それをのむかのまないかと言ってるだけなんです。

それから、彼らが言っている、いついつまでにという期限。最初は72時間、次は24時間、さらに追加的に24時間、そして日没までと、刻限をいろいろ区切りましたが、正確に守っていない。これも私はイスラム国側に交渉する意思がないとみています。

さらに、認識しなければならないのが、最初の動画が出た1月20日は、安倍首相のイスラエル訪問時で、それも記者会見前に出された。

それから1月24日、27日に静止画像が投稿されたのは、日本時間午後11時台ですよね。日本の新聞の締め切りはだいたい午前1時。午後11時台に情報が流れた場合には、新聞はその情報を追いかけるのが精いっぱいで、これに対する検証、批判、日本政府の反論を十分に掲載できない。

これは明らかに、日本の新聞の締め切り時間をわかった上でやっていることです。

一方、日本の明け方に音声や映像を出したのは、その日一日中、日本の政治家、役人、メディアをこの話題で振り回すことを考えてる。

こういう、日本の事情についてよくわかっているプロデューサーが、イスラム国には明らかにいますね。

*この続きは、発売中の『週刊プレイボーイ』8号でお読みいただけます!

(取材・文/小峯隆生 撮影/五十嵐和博)

●鈴木宗男(すずき・むねお)
1948年生まれ、北海道出身。新党大地代表。2002 年に国策捜査で逮捕・起訴、2010 年に収監される。現在は2017 年4月公民権停止満了後の立候補、議員復活に向け、全国行脚中!

●佐藤優(さとう・まさる)
1960年生まれ、埼玉県出身。外務省時代に鈴木宗男氏と知り合い、鈴木氏同様、国策捜査で逮捕・起訴される。外務省退職後は大宅壮一ノンフィクション賞を受賞するなど、作家・評論家として活躍

■「東京大地塾」とは?
毎月1回、衆議院第二議員会館の会議室を使って行なわれる新党大地主催の国政・国際情勢などの分析・講演会。鈴木・佐藤両氏の鋭い解説が無料で聞けるとあって、毎回100人ほどの人が集まる大盛況ぶりを見せる。次回の開催は2月19日(木)。詳しくは新党大地のホームページへ。

■週刊プレイボーイ8号(2月9日発売)「鈴木宗男×佐藤優 東京大地塾レポート 第4回 イスラム国解体のために日本は何をするべきか?」より

「無人暗殺機 ドローンの誕生」 リチャード・ウィッテル著、赤根洋子訳、佐藤優解説(文藝春秋 2,160円税込)


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卑劣な殺人マシンか、素晴らしき兵器か?

無人偵察機からテロリストを殺害するまで進化した無人攻撃機。誰が何のためにここまで開発したのかを追及したノンフィクション大作。

プロローグ 無人暗殺機の創世記

第一章 天才エンジニアが夢見た無人機 模型好き少年の飛翔

ユダヤ人の航空技師カレム。第四次中東戦争で苦戦した祖国のためにと考えた「無人機」。その実現のためにアメリカに移住し起業・開発に乗り出す

第二章 無人機に革命をもたらした男 ブルー兄弟はGPSに目覚めた
エール大学出身の冒険野郎は自分で飛行機も操縦。キューバでカストロ政権に拘束されたこともあった。やがてレーガン支持者となり、無人機「プレデター」を考案する

第三章 麦わら帽子は必ず冬に買え 投資の黄金律で揺れた武器市場

無人機「アンバー」を開発したカレムの前に、ブルー兄弟が現れ、彼の全資産・知的財産・技術を買収。だが、当時無人機の市場はゼロに近い状態だった‥‥

第四章 ボスニア紛争で脚光 消えかけた「プレデター」の再生

ソ連崩壊、冷戦終焉で国防費削減の時、ボスニア紛争で突如甦ったローテク撮影用の無人機への関心。CIAとパウエルが「未来の兵器」獲得に動き出した

第五章 陸・海・空軍が三つ巴で争奪 進化する無人機に疑念なし

ボスニアでの実戦配備・偵察飛行の実績により、もはや玩具ではないことが証明された無人機の効用。それに気付いた米軍内部は色めき立った。

第六章 殺傷兵器としての産声 ワイルド・プレデターの誕生

007に登場する機関銃付き自動車も顔負けの秘密兵器として無人機に注目した「ビッグサファリ」。「異常な愛情」と「オタク精神」で改良に乗り出す

第七章 リモコン式殺人マシン 「見る」から「撃つ」への転換

潜伏するテロリストの監視だけでなく攻撃にも使用可能となりうる無人機。これを駆使すれば巡航ミサイルより安価で民間人の被害も減らせるはずだった‥‥

第八章 アフガン上空を飛べるか ヘルファイアの雨が降る

無人機武装化へのステップは法律的にも技術的にも文化的にも大きな障害があった。武装化のための改造を禁じられたビッグサファリは苦肉の策に出る……

第九章 点滅しつづける赤ランプ ドイツからは操縦できない

9・11の直前、スイカを使ったミサイル発射実験も成功。あとはテロリストに向けるだけ。だが、ドイツ駐留米軍地位協定に違反するというクレームが提起された。

第十章 ならば地球の裏側から撃て CIAは準備万端

ラングレー(CIA本部)から操縦すれば、ノープロブレム。だが、暗殺ミサイル発射の引き金を引くのは、軍人かCIA職員か、それが問題になった‥‥

第十一章 殺せる位置にて待機せよ 9・11テロで一気に加速

テストは終った。レーザー照準機とヘルファイアミサイルを搭載した無人暗殺機「ワイルドファイア」はウズベキスタンから飛び立ち、ビン・ラディンらを狙う

第十二章 世界初の大陸間・無人殺人機の成功 悪党どもを殺せ

「あのトラックをやれ」と命令され、無人機から女性として初めてミサイルを発射したのは「チンギス」という名の兵士。彼女はいかにして歴史に名を残すことになったのか

第十三章 醜いアヒルの子 空の王者となる 戦争は発明の母

アルカイダのナンバー3を無人機が殺す直前、「プレデターは運用上有効ないし適切とは認められない」とペンタゴンの報告書は書いた。その予測は全くのハズレだった‥‥、


エピローグ 世界を変えた無人暗殺機 訳者あとがき…ほか。

解説 日本よ、中国空母も無力化する無人機革命に着目せよ 佐藤優


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リチャード ウィッテル

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発売日: 2015年02月21日頃
著者/編集: リチャード・ウィッテル, 赤根洋子
出版社: 文藝春秋
サイズ: 単行本
ページ数: 443p
ISBNコード: 9784163902197

【内容情報】(出版社より)
卑劣な殺人マシンか、素晴らしき兵器か? 無人偵察機からテロリストを殺害するまで進化した無人攻撃機。誰が何のためにここまで開発したのかを追及したノンフィクション大作。

【内容情報】
戦争は発明の母であるーイスラエルで生まれ、ボスニア紛争で姿を現し、アフガンで敵を殲滅。地球の裏側のCIA本部で操縦、アメリカが密かに海外の領土で敵を暗殺しつづける「無人暗殺機」プレデターの知られざる開発史ー技術者、陸海空軍、ペンタゴン、CIAなどの暗闘を全て書いた傑作ノンフィクション。

【目次】
天才エンジニアが夢見た無人機ー模型好き少年の飛翔
無人機に革命をもたらした男ーブルー兄弟はGPSに目覚めた
麦わら帽子は必ず冬に買えー投資の黄金律で揺れた武器市場
ボスニア紛争で脚光ー消えかけた「プレデター」の再生
陸・海・空軍が三つ巴で争奪ー進化する無人機に疑念なし
殺傷兵器としての産声ーワイルド・プレデターの誕生
リモコン式殺人マシンー「見る」から「撃つ」への転換
アフガン上空を飛べるかーヘルファイアの雨が降る
点滅しつづける赤ランプードイツからは操縦できない
ならば地球の裏側から撃てーCIAは準備万端
殺せる位置にて待機せよー9.11テロで一気に加速
世界初の大陸間・無人殺人機の成功ー悪党どもを殺せ
醜いアヒルの子 空の勇者となるー戦争は発明の母

【著者情報】
ウィッテル,リチャード(Whittle,Richard)
ウッドロー・ウィルソン・センターの研究員、国立航空宇宙博物館の研究員(2013-14)を務める。「ダラスモーニングニューズ」のペンタゴン記者を二十二年間務めるなど、三十年にわたって軍事問題の取材を続けてきた。メリーランド州チェビーチェイス在住

赤根洋子(アカネヨウコ)
1958年生まれ。早稲田大学大学院修士課程(ドイツ文学)修了。ドイツ語・英語翻訳家

佐藤優(サトウマサル)
1960年東京都生まれ。作家・元外務省主任分析官。同志社大学大学院神学研究科修了

電子書籍


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