【書評】 「死」はこの世からもうひとつの世界へ引っ越すこと  『他界』金子兜太著

【書評】「死」はこの世からもうひとつの世界へ引っ越すこと
2015.02.27 16:00

http://www.news-postseven.com/archives/20150227_305403.html

【書評】『他界』金子兜太著/講談社/1300円+税

「他界」金子兜太著(講談社 1,404円税込)


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「他界」は忘れ得ぬ記憶、故郷ーー。なにも怖がることはない。あの世には懐かしい人たちが待っている。俳句界の最長老にして、「朝日俳壇」選者を30年つとめる御年95歳の俳人・金子兜太さん。彼の95歳までの生き方を辿りながら、「生きること」と「死ぬこと」についての書き下ろし作品。95歳まで生きた人の言葉の重みが、「生き方」と「死に方」に思い悩む多くの読者の心に響く一冊です。


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金子兜太 講談社発行年月:2014年12月11日 予約締切日:2014年12月10日 ページ数:20


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発売日: 2014年12月11日頃
著者/編集: 金子兜太
出版社: 講談社
サイズ: 単行本
ページ数: 205p
ISBNコード: 9784062191395

【内容情報】
95歳の自由人・金子兜太が辿り着いた「他界説」。これぞ、長生きの秘訣!!

【目次】
第1章 九十二歳でがんの手術に挑む
第2章 オレは“いのち運”が強い
第3章 定住漂泊
第4章 「生きもの感覚」というふたつの触角
第5章 アニミズムは「いのち」の本当の姿を教えてくれる
第6章 自分のなかの他界の手触り
第7章 七十歳。「立禅」で他界の人と対話する
第8章 理想の他界
第9章 九十五歳の他界説

【著者情報】
金子兜太(カネコトウタ)
俳人、現代俳句協会名誉会長、「朝日俳壇」選者。1919年、埼玉県生まれ。旧制水戸高等学校在学中に句作を始める。43年、東京帝国大学経済学部卒業。同年、日本銀行に入行。44年より終戦まで、海軍主計中尉、後、大尉として、トラック島に赴任、46年復員し、日本銀行に復職する。55年、第1句集『少年』を刊行し、翌年、現代俳句協会賞を受賞する。62年、俳誌『海程』を創刊、主宰。新しい俳句の流れの原動力を作る。74年、日本銀行を退職し、俳句一本となる。83年、現代俳句協会会長に就任。87年、朝日新聞「朝日俳壇」選者。88年、紫綬褒章を受章。2005年、日本藝術院会員に。2008年、文化功労者。2010年、毎日芸術賞特別賞、菊池寛賞受賞

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「他界」は忘れ得ぬ記憶、故郷ーー。なにも怖がることはない。あの世には懐かしい人たちが待っている。俳句


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【評者】嵐山光三郎(作家)

 金子兜太氏は九十二歳でがんの手術をして、ますます野生化し、生涯現役、決して枯れず、疾風怒濤の狼となって他界を観察する。かくして死とは、いのちがこの世からもうひとつの世界へ引っ越すことだという確信を持った。

 東大経済学部を卒業し、日銀に入行するが海軍主計中尉としてトラック島勤務を命じられ、幾多の殺戮死を見てきた。米軍の機銃掃射を受けて虫けらのように殺され、食料がなく餓死する同胞の兵士を目のあたりにしてきた。

 奇跡的に生き残り、帰国後日銀に戻るが、日銀の冷え冷えとした体質になじめず従業員組合運動に首をつっこみ、出世せず、福島、神戸、長崎へ転勤し、ヒラと同じ状態で定年を迎えた。御立派。これぞ反骨の俳人である。

 二〇〇六年、妻の皆子さんが八十一歳で亡くなり、先輩や友人がつぎつぎと逝き、亡くなった人を悼む「立禅」をはじめた。他界した人は元気であの世でやっている。肉体は滅びても、人間のいのちは死なない。魂は残る。

 無神論者だから特定の神仏は信仰していないが、郷里の椋神社を祭った神棚の前で、死んだ人の名前を小声で称えるようになった。立ったままで、記憶に深く残る人の名前を称える。いまのところ全部で百二十人ぐらい。

 目をつぶって名前を称えていくと、不思議なことに、体や頭がすーっとしてくる。先生あり、大先輩あり、呼びすてあり、苗字やあだ名だけのような人もいる。両親や女房の名は一番最後になり、ちょっと別仕立。毎朝やって、順調にいくと三十分。名前が出てこないときは四十分かかる。

 記憶力が活性化され、つづけていくうちに、他界がリアルに感じられる。毎朝、亡くなった人たちと交流会をやって会話をする。がんの手術で入院したときは、ベッドの横に立ってやった。

 金子兜太氏にあっては、俳句即生命である。他界はすぐ近くの故郷のなかにある。野生の自由人が定住漂泊しつつ実施する「立禅」という秘儀の極意を見よ。

※週刊ポスト2015年3月6日号




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