「ぐりとぐら」作家の子供論 叱る時や励ます時の決めセリフ

「ぐりとぐら」作家の子供論 叱る時や励ます時の決めセリフ
2015.05.24 16:00

http://www.news-postseven.com/archives/20150524_320519.html

『いやいやえん』『ぐりとぐら』で知られる作家、中川李枝子さんは、作家になる前、東京の「みどり保育園」で十七年間、「保母」(現在の保育士)として働いていた。『子どもはみんな問題児。』はその体験から生まれた子ども論。実際に何人もの子どもに接して来た人だけに、優しく説得力がある。

「子どもはみんな問題児。」 中川李枝子著(新潮社 1,080円税込)


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焦らないで、悩まないで、大丈夫。子どもは子どもらしいのがいちばんよ。名作絵本「ぐりとぐら」の生みの親は母であり、数多くの子どもを預かり育てた保母でもあった。毎日がんばるお母さんへいま伝えたい、子どもの本質、育児の基本。「いざという時、子どもは強い」「ナンバーワンは、お母さん」「がみがみ言いたい気持ちを本で解消」…… 45のメッセージを収めた、心がほぐれる子育てバイブルついに刊行!


子どもはみんな問題児。
新潮社
中川 李枝子

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子どもはみんな問題児。 [ 中川李枝子 ]
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中川李枝子 新潮社発行年月:2015年03月 予約締切日:2015年03月25日 ページ数:153,


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発売日: 2015年03月
著者/編集: 中川李枝子
出版社: 新潮社
サイズ: 単行本
ページ数: 153,
ISBNコード: 9784103391319

【内容情報】
子どもは子どもらしいのがいちばんよ。焦らないで、悩まないで、だいじょうぶ。「ぐりとぐら」の生みの親が贈る、心がほぐれる45のメッセージ!

【目次】
1 お母さんが知らない、保育園での子どもたち
どの子もみんなすばらしい問題児
子どもはたいがい臭いものです ほか
2 「りえこせんせい」が子どもに教わったこと
子どもはお母さんの鏡です
ナンバーワンは、お母さん ほか
3 子育ては「抱いて」「降ろして」「ほっといて」
いざという時、子どもは強い
子どもをうちに閉じ込めないで ほか
4 本は子どもと一緒に読むもの
「読み聞かせ」ではなく、子どもと一緒に読む
こわい話には安全地帯を用意して ほか
5 いいお母さんって、どんなお母さん?
子どもがドンとぶつかってきて、よろめくようではだめ
お母さんの得意とするものがひとつあれば十分 ほか

【著者情報】
中川李枝子(ナカガワリエコ)
作家。1935年札幌生まれ。東京都立高等保母学院卒業後、「みどり保育園」の主任保母になる。72年まで17年間勤めた。62年に出版した『いやいやえん』で厚生大臣賞、NHK児童文学奨励賞、サンケイ児童出版文化賞、野間児童文芸賞推奨作品賞を受賞。翌年『ぐりとぐら』刊行。『子犬のロクがやってきた』で毎日出版文化賞受賞

「みどり保育園」は、園長と中川さんが始めたという。最初に園長はこう言った。

「この仕事は儲らない。だからその分、子どもからもらえるものはもらっておいて、そして楽しまなきゃ損よ」

 実際、子どもが好きな人間でないと務まらない仕事だろう。園長はこうも言った。

「わが子を他人に預けるにはすごく勇気がいる」
「保育園を信頼しているから子どもを預ける。私たちは、お母さんの信頼を絶対に裏切るわけにはいかないのよ」

 こんな考え方も面白い。

「みどり保育園」では「面倒なことは一切やらない」。「園だより」も出さないし、毎日の連絡帳なんてない。

「必要事項はぜんぶ口で伝えていました。今日の出来事でも、子どものちょっとした一言でも、お母さんに言いたいことでも。紙に書いたり、書いてあるものを読んだりするよりも直接顔をみて話すほうがいいでしょう」。

 人と人のじかのコミュニケーションを大事にしている。園では給食はなし。そのかわり母親が弁当を作ってくること。子どもは母親の作ってくれる弁当を楽しみにしているのだから。贅沢と言えば贅沢。仕事を持っている母親は大変だろう。

 園長には、学校に上がる前にこれだけは出来るようにと決めていたことがあった。鉄棒の逆上がり、棒登り、跳び箱、プール、でんぐり返し。子どもたちは遊びながら体得していった。

 子どもたちが保育園に行くのは、親が働いているから仕方なく行くのではない。自分が行きたいから行く。それでも、中川さんは、言う。「でも、子供にとっていちばんの安全地帯はお母さんと我が家です」。

 だから子どもを叱る時は「そんなことをしたらお母さんが悲しむでしょう」、励ます時は「お母さんが喜ぶわよ」と言う。「お父さん」の影が薄いのは少し寂しい。

文■川本三郎

※SAPIO2015年6月号