【出版HOT NEWS 】  メディアのウェブ化で政治の暴走が加速する!?

【出版HOT NEWS 】
メディアのウェブ化で政治の暴走が加速する!?
日刊ゲンダイ2015年8月21日

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/162923

 2014年、フランスでは全国紙リベラシオンが倒産を免れるため従業員の3分の1を解雇し、地方新聞社ニース・マタン社が会社更生法の適用を受けた。アメリカでは2007年以降に12の地方新聞社が廃刊し、もはや多くの郡に地方紙が1紙も存在しない状況になっている。その一因となっているのが、ウェブ化の波だ。

 ジュリア・カジェ著、山本知子・相川千尋訳「なぜネット社会ほど権力の暴走を招くのか」(徳間書店 1600円)は、世界的ベストセラー「21世紀の資本」の著者、トマ・ピケティ氏の妻である経済学者によるメディア論。いまメディアで起きている異変と、今後のメディアの在り方を考察している。

「なぜネット社会ほど権力の暴走を招くのか」 ジュリア・カジェ著, 山本知子, 相川千尋訳(徳間書店 1,728円税込)


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なぜネット社会ほど権力の暴走を招くのか
徳間書店
ジュリア カジェ

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なぜネット社会ほど権力の暴走を招くのか [ ジュリア・カジェ ]
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ジュリア・カジェ 山本知子 徳間書店発行年月:2015年06月 ページ数:221p サイズ:単行本


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発売日: 2015年06月
著者/編集: ジュリア・カジェ, 山本知子
出版社: 徳間書店
サイズ: 単行本
ページ数: 221p
ISBNコード: 9784198639600

【内容情報】
メディアは今、これまでになく弱体化している。ウェブ化の波の中で、新聞社は人員をデジタル部門に投入し、現場のジャーナリストの数は世界的に減少する傾向にある。また売り上げ低下に苦しむメディアは、救い主として現れた大富豪の手に牛耳られ、情報の質や独立性が犠牲となっていく。果たして、メディアの危機を救い、民主主義と真実を自分たちの手に取り戻す方法はあるのだろうか?気鋭の経済学者が、斬新で具体的な回答を提示する話題作!

【目次】
はじめに これまでになく弱体化しているメディアの救い方
コピー情報を掲載する競争
絶滅していく新聞 ほか
第1章 メディア崩壊が真実を殺す
本当に情報の時代なのか?
新聞・雑誌のかかえるパラドックス ほか
第2章 広告幻想の終わり
広告収入はなくなる
広告が新聞の自由を守る? ほか
第3章 21世紀のための新しいメディア会社
デジタル時代の資金調達
市場原理がもたらしたもの ほか
結びに代えて メディアと民主主義を守れ
駅馬車の最後
今こそ変革のとき

【著者情報】
カジェ,ジュリア(Cag´e,Julia)
1984年2月生まれ。新進気鋭の経済学者。ハーバード大学大学院で博士号を取得、パリ政治学院経済学准教授。国家経済委員会メンバー

山本知子(ヤマモトトモコ)
1958年生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東京大学新聞研究所研究課程修了

相川千尋(アイカワチヒロ)
1982年生まれ。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科修了

 紙媒体の縮小が加速するなか、急速に増えているのがウェブ版のニュースサイトだ。クリックひとつで、ほぼリアルタイムで選挙結果を都市ごとに図解入りで見ることも可能になった。CGやハイパーリンク、オンラインビデオなどの多用で、ニュースをより分かりやすく提供できるようにもなっている。しかし、限られた財源のもとでウェブ革命が行われた結果、多くの紙媒体はニュースの作り手である記者を解雇し、代わりに情報処理技術に長けた従業員を雇用せざるを得なくなった。

 取材に充てられていた予算が削られれば、ニュースの質は低下の一途をたどる。アメリカでは対抗権力の役割を果たしてきた地方紙の衰退で、腐敗性が高い州議会での審議についてほとんど報じられなくなった。海外特派員数もこの7年の間で24%も減少した。メディアが弱体化し政治情報のニュースが少なくなれば、政治の暴走も招きかねない。

 ウェブ化の波を止めることは不可能だが、クラウドファンディングや非営利メディア会社の活用で、民主主義を体現するためのメディアを守ることは可能だと本書。日本のメディアも新たな形を模索する必要がありそうだ。