下町ロケット吉川晃司 個性派俳優揃う中で存在感際立つワケ

下町ロケット吉川晃司 個性派俳優揃う中で存在感際立つワケ
NEWSポストセブン2015.11.08 07:00

http://www.news-postseven.com/archives/20151108_362385.html?PAGE=1


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【『下町ロケット』での演技に注目が集まる吉川晃司】

 今期ドラマで最高視聴率の18.6%を記録し、絶好調の連続ドラマ『下町ロケット』(TBS系)。主演の阿部寛以外にも、個性派俳優が脇を固めていることが好調の要因のひとつと言えるが、なかでも活躍が目立つのが吉川晃司だ。ミュージシャンでありながら役者として異彩を放つ吉川。テレビ解説者の木村隆志さんがその演技について分析する。

 * * *
 吉川さんが『下町ロケット』で見せる存在感は、主演の阿部寛さんに匹敵するものがあります。これまで吉川さんは、大河ドラマ『天地人』『八重の桜』(ともにNHK)など時代劇への出演が多く、その他も映画『仮面ライダー』シリーズや、映画『るろうに剣心』などで、超人的なキャラクターを演じてきました。

 それだけにスーツを着て現実世界のサラリーマンを演じているだけでも、目を引くものがあります。また、これまで世間や業界の常識に逆らい、一匹狼のようなスタンスで突き進んできた吉川さんが、企業の中で上司や部下にはさまれ、取引先との交渉に悩む姿は新鮮です。

 1~2話では、「こんな町工場ごときが」という捨てセリフを連発するなど、悪役ぶりが目立ちましたが、第3話の終盤では一変。「素晴らしい技術だと思います」「私も帝国重工に入りたてのころはあなたと同じ気持ちだった」「どうやらここは私の知っている中小企業と違うようだ」と佃を称えるシーンがありました。これは佃製作所の仕事ぶりや職人魂に共感し、会社に逆らってでも自分の信じるものを貫くという決意表明。まるで、芸能界や大手芸能事務所に逆らってでも、自分の信じる音楽や生き様を貫いてきた吉川さんのようで、まさにハマリ役だと思いました。

 同ドラマの演出を手がける福澤克雄さんは、『半沢直樹』『ルーズヴェルト・ゲーム』(ともにTBS系)で、顔をアップで撮る映像を多用していましたが、今回もその傾向が見られます。阿部さん、安田顕さん、立川談春さん、池畑慎之助さん、杉良太郎さんら、顔の迫力がある俳優がそろう中、吉川さんも負けていません。

 黙って考え込む顔、思い通りにいかず悩む顔、驚き感心させられる顔など、あまりセリフを発していないのに、それらの感情が伝わってくるのです。ただ、吉川さんの顔をよく見ると、目や口などのパーツはあまり動いていません。それなのにここまで感情が伝わってくるのは、パーツなどの小手先ではなく、これまでの生き様で培った“顔全体で醸し出すオーラ”があるからではないでしょうか。

 もう1つの見せ場は、身長189cmの阿部さんと対峙するシーン。ここでも長身の阿部さんに全く引けを取らず、むしろ逆三角形の肉体美で圧倒していることも、吉川さんの存在感を際立たせています。高校生で水球日本代表に選ばれた強靭な肉体はいまだ健在なだけに、黙ってそこに立っているだけで絵になってしまうのでしょう。

 今年3月、吉川さんは来年公開の映画『さらば あぶない刑事』の役作りでバイク運転の練習中に左足首を骨折しました。しかし、本来なら中止になりかねない全国ツアーを片足立ちでこなして、骨折した左足で得意のシンバルキックを披露したというから驚いてしまいます。そんなプロ意識とタフさは、演じている財前にも乗り移っている気がするのです。

『モニカ』での鮮烈なデビューから30年が過ぎ、吉川さんは今年で50歳になりましたが、そのギラギラした情熱や、少年のような純粋さは、まったく変わっていません。東日本大震災のとき、炊き出しや慰問するだけの芸能人が多い中、「歌では本当の支援にならない」と言って、ひたすらガレキ撤去作業を手伝い続けたように、大企業の部長を演じていても、どこか「やんちゃだけど純粋で心優しい」近所のガキ大将のような印象があります。

 ガキ大将のような一方で、吉川さんは進学校の出身であり、芸能事務所に第三者を装って「広島にスゴイ奴がいる」と書いた手紙を送り、デビューを勝ち取った頭の良さと行動力の持ち主。それだけに、財前のようなエリート社員役の素地があるのでしょう。しかし、私としては、紅白歌合戦でギターに火をつけたり、危険な無人島でサバイバル生活をしたり、シンバルキックで3度骨折するなどの吉川さんらしい破天荒な姿を、財前にも見せて欲しいと思ってしまいます。

【木村隆志】
コラムニスト、テレビ・ドラマ解説者。テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの聴き技84』(TAC出版)など。

「下町ロケット」 池井戸潤著(小学館 1,836円税込)


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発売日: 2010年11月
著者/編集: 池井戸潤
出版社: 小学館
サイズ: 単行本
ページ数: 407p
ISBNコード: 9784093862929

【内容情報】
取引先大企業「来月末までで取引終了にしてくれ」メインバンク「そもそも会社の存続が無理」ライバル大手企業「特許侵害で訴えたら、…どれだけ耐えられる?」帝国重工「子会社にしてしまえば技術も特許も自由に使える」-佃製作所、まさに崖っプチ。

【著者情報】
池井戸潤(イケイドジュン)
1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒業後、三菱銀行(当時)入行、95年退職。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し小説家デビュー。10年『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞を受賞


「下町ロケット」(小学館文庫) 池井戸潤著(小学館 777円税込)


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あの直木賞受賞作が、待望の文庫化!

「お前には夢があるのか? オレにはある」

研究者の道をあきらめ、家業の町工場・佃製作所を継いだ佃航平は、製品開発で業績を伸ばしていた。そんなある日、商売敵の大手メーカーから理不尽な特許侵害で訴えられる。
圧倒的な形勢不利の中で取引先を失い、資金繰りに窮する佃製作所。創業以来のピンチに、国産ロケットを開発する巨大企業・帝国重工が、佃製作所が有するある部品の特許技術に食指を伸ばしてきた。
特許を売れば窮地を脱することができる。だが、その技術には、佃の夢が詰まっていたーー。
男たちの矜恃が激突する感動のエンターテインメント長編!
第145回直木賞受賞作。

池井戸潤、絶対の代表作
(解説・村上貴史)


下町ロケット (小学館文庫)
小学館
2013-12-21
池井戸 潤

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小学館文庫 池井戸潤 小学館BKSCPN_【楽天ブックス夏の文庫2015】 発行年月:2013年12


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発売日: 2013年12月21日
著者/編集: 池井戸潤
出版社: 小学館
サイズ: 文庫
ページ数: 493p
ISBNコード: 9784094088960

【内容情報】
研究者の道をあきらめ、家業の町工場・佃製作所を継いだ佃航平は、製品開発で業績を伸ばしていた。そんなある日、商売敵の大手メーカーから理不尽な特許侵害で訴えられる。圧倒的な形勢不利の中で取引先を失い、資金繰りに窮する佃製作所。創業以来のピンチに、国産ロケットを開発する巨大企業・帝国重工が、佃製作所が有するある部品の特許技術に食指を伸ばしてきた。特許を売れば窮地を脱することができる。だが、その技術には、佃の夢が詰まっていたー。男たちの矜恃が激突する感動のエンターテインメント長編!第145回直木賞受賞作。

【著者情報】
池井戸潤(イケイドジュン)
1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年に『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を受賞


「下町ロケット2 ガウディ計画 」池井戸潤著(小学館 1,620円税込)


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下町ロケット2 ガウディ計画
小学館
2015-11-05
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下町ロケット2 ガウディ計画 [ 池井戸潤 ]
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池井戸潤 小学館発行年月:2015年11月05日 ページ数:378 サイズ:単行本 ISBN:978


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発売日: 2015年11月05日頃
著者/編集: 池井戸潤
出版社: 小学館
サイズ: 単行本
ページ数: 378
ISBNコード: 9784093864299

【内容情報】(出版社より)
直木賞受賞作に待望の続編登場!

その部品があるから救われる命がある。
ロケットから人体へーー。佃製作所の新たな挑戦!

ロケットエンジンのバルブシステムの開発により、倒産の危機を切り抜けてから数年ーー。大田区の町工場・佃製作所は、またしてもピンチに陥っていた。
量産を約束したはずの取引は試作品段階で打ち切られ、ロケットエンジンの開発では、NASA出身の社長が率いるライバル企業とのコンペの話が持ち上がる。
そんな時、社長・佃航平の元にかつての部下から、ある医療機器の開発依頼が持ち込まれた。「ガウディ」と呼ばれるその医療機器が完成すれば、多くの心臓病患者を救うことができるという。しかし、実用化まで長い時間と多大なコストを要する医療機器の開発は、中小企業である佃製作所にとってあまりにもリスクが大きい。苦悩の末に佃が出した決断は・・・・・・。
医療界に蔓延る様々な問題点や、地位や名誉に群がる者たちの妨害が立ち塞がるなか、佃製作所の新たな挑戦が始まった。

日本中に夢と希望と勇気をもたらし、直木賞も受賞した前作から5年。
遂に待望の続編登場!

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