【本音のコラム】 戦場に送るな! 鎌田 慧 (ルポライター) 東京新聞2015年12月22日
【本音のコラム】
戦場に送るな! 鎌田 慧 (ルポライター)
東京新聞2015年12月22日
戦場に送るな! 鎌田 慧 (ルポライター)
東京新聞2015年12月22日
【書評】
戦争はさせない デモと言論の力 鎌田慧 著 (岩波書店・1944円)
東京新聞2015年12月20日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2015122002000187.html
◆激しい怒りと静かな思考「戦争はさせない デモと言論の力」 鎌田慧著(岩波書店 1,944円税込)
商品基本情報
発売日: 2015年10月
著者/編集: 鎌田慧
出版社: 岩波書店
サイズ: 単行本
ページ数: 198p
ISBNコード: 9784000610704
【内容情報】
「わたしたちは侮辱の中に生きている」憲法違反の安保法制の数による強行、危険性無視の原発再稼働、沖縄県民の声を聞こうともしない米軍新基地建設…。安倍政権の暴政に、各地で怒りの行動が湧きおこっている。自らも市民運動の呼びかけ人となり、「いのち」を基本とする社会へのうねりを作ってきたルポライターが、時代の分岐点での闘いと今後の展望を文字に刻む。
【目次】
第1章 安倍政権の危険すぎる手口
戦争しか見えない一本道政治家
安倍政権下、攻勢に曝される報道
市民運動と報道
第2章 さようなら原発、さようなら戦争ー新しい広場をつくる
「いのち」をキーワードにした新しい運動
フクシマの前と後ー戦後七〇年、事故後四年
怒りをあらたに、あらゆる再稼動を止めよう!-二〇一五年八月、川内原発ゲート前より
第3章 戦争のリアルを見つめる
陸羯南とジャーナリズムー国益と民益のあいだ
山田風太郎『同日同刻』誤断の証明
歴史記録の金字塔ー村山常雄『シベリアに逝きし人々を刻す』
第4章 闘うひとびとと出会う
同じ構図の、原発と沖縄ー菅原文太さんとの対話
沖縄で出会ったひとたち
エロスと反逆ー瀬戸内寂聴さんのいき方
【著者情報】
鎌田慧(カマタサトシ)
1938年青森県生まれ。ルポライター。労働、原発、冤罪、沖縄などを長年にわたって取材執筆。福島原発事故以降、「「さようなら原発」一千万署名市民の会」「戦争をさせない1000人委員会」の呼びかけ人として、市民運動をはじめる。
[評者]永江朗=フリーライター
表紙の写真(本紙提供)が象徴的だ。ことし八月三十日、国会議事堂の周囲を埋めつくす大量の人びとの姿である。本書のタイトル「戦争はさせない」は、彼らの(いや、わたしたちの)意思をあらわしている。
本書には書き下ろし評論「安倍政権の危険すぎる手口」ほか、雑誌などに発表された文章が収められている。全篇、行間から、激しい怒りが伝わってくる。東日本大震災と民主党政権瓦解(がかい)後、急速に右旋回するこの国の政財官に対する怒り。そして、「いのち」が粗末にされていくことへの危機感。本紙連載コラム「本音のコラム」等をまとめた『悪政と闘う』とも通じる。
だが、著者は怒るだけではない。冷静に情況(じょうきょう)を観察し、したたかに明日を見すえる。たとえば八月三十日の国会前集会を、新聞各社がどのように伝えたかの比較。どれだけの人が抗議のために集まったのか、ひとつの事実を伝えるのにこんなにも違いがあるとは。驚き、呆(あき)れる。右旋回は官邸が突出し、財と官がそれを支えるが、マスメディアもまた、多くは取り込まれ、官邸の広報装置と化しているのだ。
憲法は蹂躙(じゅうりん)され、原発は一基、また一基と再稼働する。では著者たちは敗北し続けるのか。そうではない。著者たちもまた、進化を続けるからだ。たとえば次のような一文。「わたしはこの四年間、脱原発集会とデモに参加して、全国を歩いてきた。わたしたちは、原発反対を<さようなら原発>と組み替え、デモをパレードといい換え、戦争反対を<戦争させない>と口語に翻訳した。硬直した慣用句と集会・デモの形式は、ひとびとの心を捉えない、とようやく気づいたからである」
気づき、反省し、改める者は、次に勝利する。政財官の右旋回によって、わたしは、わたしがわたしであることを立脚点に、ものごとを考え、行動するようになったのだ。著者をオールド左翼などと嗤(わら)う者は、現実によって手ひどいしっぺ返しを食うだろう。
<かまた・さとし> 1938年生まれ。ルポライター。著書『原発列島を行く』など。
◆もう1冊
雨宮処凛(かりん)著『命が踏みにじられる国で、声を上げ続けるということ』(創出版)。3・11以後の政治運営への違和と抵抗の記録。






