桐野夏生さん新刊「バラカ」 負の力が渦巻く震災後の世界

桐野夏生さん新刊「バラカ」 負の力が渦巻く震災後の世界
産経新聞2016.3.7 08:06

http://www.sankei.com/life/news/160307/lif1603070005-n1.html


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「10年、20年後に、あんな暗い小説を書いていたんだと明るく振り返ることができれば」と話す桐野夏生さん(宮崎瑞穂撮影)


 東日本大震災直後の日々、多くの人の頭をよぎった「ありえたかもしれない日本」を舞台にした桐野夏生さん(64)の新刊『バラカ』(集英社)は、平成23年夏から4年にわたり月刊誌で書き継がれた大作だ。

「バラカ」 桐野夏生著(集英社 1,998円税込)


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私の「震災履歴」は、この小説と共にありました。
重力に逆らい、伸びやかに書いたつもりです。
まだ苦難の中にいる人のために、ぜひ読んでください。 桐野夏生

今、この時代に、読むべき物語。
桐野文学の最高到達点!

震災のため原発4基がすべて爆発した! 放射能警戒区域で発見された一人の少女「バラカ」。彼女がその後の世界を変えていく存在だったとはーー。
ありえたかもしれない日本で、世界で蠢く男と女、その愛と憎悪そして勇気。想像を遥かに超えるスケールで描かれるノンストップ・ダーク・ロマン!

子供欲しさにドバイの赤ん坊市場を訪れる日本人女性、酒と暴力に溺れる日系ブラジル人、絶大な人気を誇る破戒的牧師、フクシマの観光地化を目論む若者集団、悪魔的な権力を思うままにふるう謎の葬儀屋、そして放射能警戒区域での犬猫保護ボランティアに志願した老人が見つけた、「ばらか」としか言葉を発さない一人の少女……。人間達の欲望は増殖し、物語は加速する。そして日本は滅びに向かうのだろうかーー。
桐野夏生が2011年夏から4年にわたって、危機的な日本と並行してリアルタイムに連載してきた作品が、震災から5年を経た今、ついに書籍化!

【内容情報】(出版社より)
震災のため原発四基がすべて爆発した! 放射能警戒区域で発見された少女「バラカ」。ありえたかもしれない世界で蠢く男と女、その愛と憎悪。超大なスケールで描かれるノンストップ・ダーク・ロマン!


バラカ
集英社
桐野 夏生

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基本情報
発売日: 2016年02月26日頃
著者/編集: 桐野夏生
出版社: 集英社
サイズ: 単行本
ページ数: 650p
ISBNコード: 9784087716467

【内容情報】
震災のため原発4基がすべて爆発した!警戒区域で発見された一人の少女「バラカ」。ありえたかもしれない日本で、世界で蠢く男と女、その愛と憎悪。想像を遙かに超えるスケールで描かれるノンストップ・ダーク・ロマン!

【著者情報】
桐野夏生(キリノナツオ)
1951年金沢市生まれ。成蹊大学卒業。1993年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞。1998年『OUT』で日本推理作家協会賞。1999年『柔らかな頬』で直木賞。2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞。2004年『残虐記』で柴田錬三郎賞。2005年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞。2008年『東京島』で谷崎潤一郎賞。2009年『女神記』で紫式部文学賞。2010年『ナニカアル』で島清恋愛文学賞。2011年同作で読売文学賞をそれぞれ受賞

 震災当日、桐野さんは自宅で執筆中だった。夕方からは、新しい連載小説の打ち合わせを予定していたが当然キャンセル。「フィクション以上の悲劇を見て、自分の仕事は何もできない虚業だと思ってがくぜんとした」

 当時、東京の湾岸地区のタワーマンションに住む母親たちを描く『ハピネス』を連載中だったが、「目の前の現実と乖離(かいり)しすぎて、こんなことを書いていていいのかとむなしくなった」という。新連載は、今の状況を書くしかないと構想を大幅に変更し、2カ月遅れでスタートさせた。

 物語は、震災後の混乱と恐怖をより強めた筆致で描かれる。震災8年後の東京は原発事故のため汚染され、首都は大阪に移っている。すべてを失い、誰の助けも得られぬ「棄民」となった被災者たちは、「震災履歴」を語って自己紹介しあう。

 主人公の少女「バラカ」は、警戒区域に取り残されていたところを助け出してくれた老人とともに、日本中を移動しながら暮らしていた。被災の悲劇の象徴であり、人々の希望を担う存在に祭り上げられたバラカをめぐり、さまざまな勢力の思惑、陰謀が交錯する。

 バラカという名は、スペインの詩人、ガルシア・ロルカの移動劇団「バラッカ」からとった。バラックと同意で、居場所がない存在という意味に、アラビア語の「神の恩寵(おんちょう)」という語義も重ねた。

 刻々と変わっていく現実とリンクして、資料を読み、取材しながらの執筆。東京オリンピックの開催決定は、大阪オリンピックに置き換えて取り込んだ。

 ドバイの赤ん坊市場でバラカを買って日本に連れ帰った女、その夫でミソジニー(女性憎悪)をあらわにする男など、登場人物は欲望をむき出しにした人物が多い。「震災後、差別や憎悪など嫌なものが噴出したように思う。そうしたものをすくいとり、提示していきたかった」

 悪意とともに追ってくるネット社会の不気味さにも覆われ、小説世界には負のエネルギーが渦巻いている。「人が(震災を)『忘れる』ということも負のエネルギー。明るくて未来に向かうものなんて、到底書けなかった」

 このまま日本はどうなってしまうのか-。そんな思いのまま連載を脱稿したが、単行本化の際につけたエピローグには、かすかな希望も見える。「作者が絶望したからといって投げ出さず、可能性を書くことも読者のためには必要かもしれない。震災を忘れてはいけないと、胸のどこかで思っている人たちが読んでくれれば」(永井優子)

                   


【プロフィル】桐野夏生(きりの・なつお) 昭和26年、金沢市生まれ。平成5年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、10年『OUT』で日本推理作家協会賞、11年『柔らかな頬』で直木賞受賞。近著に『夜また夜の深い夜』『抱く女』など。

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