こんな体位、ありえない!? 江戸庶民が愛した「豆判春画」、その奥深き世界なんと大らかな性風俗

賢者の知恵
こんな体位、ありえない!? 江戸庶民が愛した「豆判春画」、その奥深き世界なんと大らかな性風俗
現代ビジネス2016年06月24日(金)  浅野秀剛

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48885


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老婆との行為の後。老婆は満足そうであるが、男は吐いている

昨年より続く「春画ブーム」。永青文庫で開催された春画展には、21万人もの人が訪れた。近年、春画について解説する本が多く出版されているが、「豆判春画」だけを紹介する『豆判春画 和気満堂コレクション』が、異色の一冊として注目を集めている。

「豆判春画 ART BOX」 浅野秀剛著(講談社 2,484円税込)


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大名、大物商人が楽しんだ! ポケットサイズで美しく面白い豆判春画。江戸人の奇想天外な発想を原寸で掲載。貴重な作品200点。


ARTBOX 豆判春画 和気満堂コレクション
講談社
浦上 満

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豆判春画 [ 浅野秀剛 ]
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ART BOX 浅野秀剛 講談社発行年月:2016年02月05日 予約締切日:2016年02月04日


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基本情報
発売日: 2016年02月05日頃
著者/編集: 浅野秀剛
出版社: 講談社
サイズ: 単行本
ページ数: 239p
ISBNコード: 9784062199032

【内容情報】(出版社より)
大名、大物商人が楽しんだ! ポケットサイズで美しく面白い豆判春画。江戸人の奇想天外な発想を原寸で掲載。貴重な作品200点。

【目次】
今様十二ヶ月
名松合
色情年中行事
樓亭花の魁
狂言尽
春情娘色紙
名句合二編
曲楽十二舞
新玉尽春の曙
絵兄弟〔ほか〕

【著者情報】
浅野秀剛(アサノシュウゴウ)
1950年秋田県生まれ。立命館大学理工学部卒業。千葉市美術館学芸課長を経て、現在、大和文華館館長。2013年よりあべのハルカス美術館館長兼任。国際浮世絵学会理事長

豆判春画とはなにか。その一部を見ながら、執筆者で大和文華館館長の浅野秀剛氏の解説を聞こう。

「豆判春画」をご存じですか?

「豆判春画」とは、小さな春画のことである。江戸時代後期ころから盛んに作られるようになった。大名から庶民にまで親しまれ、新年には、その年の暦を記した豆判春画を交換し合うこともあった。

「豆判春画」という用語は、近年作られたものと思う。豆判春画の歴史を述べる前に、春画の歴史を述べなければならないが、それはちょっと大変なので、日本の春画は、江戸時代に浮世絵の盛行と共に展開し、絵画(肉筆画)も版画も大量に作られたということで勘弁してほしい。

したがって、豆判春画は浮世絵版画の一部、浮世絵の春画の一部なのである。


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ただし、販売用の豆判春画が制作されたのは、おそらく寛政期(1789~1801年)以降と思われる。狭義では、寛政後期と推定されるものを時々見出すことができるが、そのほとんどはバラバラのもので、豆判春画の揃い物を確認できるのは文化期(1804~18年)以降である。

大英博物館に、文化8年頃から文政9年頃の春画の大小の揃い物を中心に、109枚の豆判を貼り込んだ画帖(『増衣帖』と題されている)が所蔵されているのがその早いものであろう。『増衣帖』にあるものの大半が大小であることは重要である。豆判春画が誕生する契機となったのが、私家版の春画の大小と推定されるからである。

幕府公認の暦とは別に、その年の大の月と小の月を文字・記号・絵などで表した私的な正月用の配り物を大小といった。趣味人によるカレンダー入り年賀状といったもので、摺り物の一種である。


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古い大小の遺品は18世紀の初めのものが現存するが、春画の大小がいつ頃から制作されたのかは分からない。しかし、天明期(1781~89年)のものを中心に、安永3年(1774)から寛政2年(1790)の春画の大小の貼り込み帖を2種確認しているので、遅くとも安永3年には制作され、天明期にはかなりの数が制作されたのは事実である。

編集部注:春画は芸術ですが、一部不快な思いをされる方がいらっしゃるかもしれません。次ページ以降をご覧になる際は、ご注意ください。

誰が描いたのか。それが難問

しかし、それらはすべて私家版で、春画的なものを題材にしているということを除けば普通の大小と形式に違いはない。ただし、細工物の大小、つまり、上の紙をめくると交接場面が現れるといった趣向のものが多いのが特徴といってよいかもしれない。大小は私家版であるから小型のものが大半である。


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マラ曳き…互いの首に網をつけて曳き、力比べをする首曳きというのがあるが、これはマラ曳き

その私家版の大小を見て、版元が、春画の大小を作って販売することを考えたのであろう。その証拠に文化期の豆判春画は大半が大小入りなのである。換言すれば、版元が、正月の配り物用として、春画の大小を制作・販売したことになる。

その後、大小入りのものが少なくなり、正月用の賞玩物として豆判春画が盛行したことは、本書をご覧になればお分かりいただけると思う。


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それでは、豆判春画はどのくらい制作されたのであろうか。白状すると、私を含め、豆判春画についての論文は誰も書いていない。そして、おそらく誰も数えたことはないであろう。したがって分からない。

しかし、和気満堂コレクションだけで1400を超える数があるので、控えめに、文化期から幕末までの50年間に毎年平均6セットずつ制作されたとすれば計300セット、そして1セット平均12枚含まれるとすると3600枚制作されたことになる。現段階では、そういう目安を提示することしかできない。


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それでは、それらを誰が描いたのであろうか。それも難問である。

確かなことは、ほとんどが江戸の浮世絵師と推定されることである。残念ながら、非合法の出版物であるので、版元や絵師の情報はほとんどない。それでも、様式上、江戸の浮世絵師が下絵を描いていることは分かる。

京都や大坂でも制作された可能性はあるが、確かにそれだといえるものは確認していない。19世紀の江戸の浮世絵師というと、歌川派の国貞・国芳・広重、そして葛飾北斎一門、菊川英山・渓斎英泉といったところが直ちに脳裏に浮かぶが、国貞・国芳・英山・英泉が描いたことはほぼ確実ということ以外に、詳細は不明というしかない。


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女に迫る銭湯の三助(使用人)

歌川国虎や恋川笑山の作もあるが、今のところ断片的にしか分からない。そもそも購買者が、誰の作かということを判断の目安にしたかどうかも分からないのである。1セットいくらであったかも不明であるが、今の価格でいえば500円、1000円くらいで買うことができたと推定される。

だから、本屋に勧められて、あるいは店頭で見て(店頭に堂々と置かれていた可能性は低いが奥には置いていたであろう)、ちょっと面白そうなものを買うという情景が思い浮かぶ。


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文化期から幕末の江戸の春画の代表作といえば、三冊ものの極彩色の大本が過半である。近年は、それらの研究が進み、もはや、北斎・国貞・国芳といった浮世絵師の版本の春画が新しく発見されるということはほとんどなくなったが、そういった高価なものが制作される裏側で、豆判春画のような小さく安価なものも制作・供給されていた意味は小さくない。

手のひらサイズで誰もが気軽に買えるものであるからこそ、そこには江戸の春画のエッセンスが凝縮されているのである。

それを一言でいえば、セックスを介したファンタジー、笑いの世界である。局部を広げ、ありえない体位で交わり、まさかという場所で突然行為に及ぶという豆判春画の世界は大らかな笑いに満ちている。


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じめじめしたところは全くない。人間の基本的な営みであるセックスを理屈抜きに肯定し、いかに楽しんでもらうかということに心を砕いている。本書を手に取って、ほとんど原寸で紹介した豆判春画の魅力を堪能していただきたい。

資料提供:浦上満







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