【書評】 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗 加藤陽子 著 (朝日出版社・1836円)

【書評】
戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗 加藤陽子 著 (朝日出版社・1836円)
東京新聞2016年10月2日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2016100202000193.html


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◆三つの岐路を改めて問う

「戦争まで」加藤陽子著(朝日出版社 1,836円税込)


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【内容情報】(出版社より)
この講義の目的は、みなさんの現在の日々の生活においても、将来的に大人になって社会人になった後においても、
交渉事にぶちあたったとき、なにか、よりよき選択ができるように、相手方の主張、それに対する自らの主張を、
掛け値なしにやりとりできるように、究極の問題例を挙げつつ、シミュレーションしようとしたことにあります。(「講義の終わり」により)
1章 国家が歴史を書くとき、歴史が生まれるとき
2章 「選択」するとき、そこで何が起きているのか --リットン報告書を読む
3章 軍事同盟とはなにか --20日間で結ばれた日独伊三国軍事同盟
4章 日本人が戦争を選んだのはなぜか --日米交渉から見える痕跡と厚み
講義のおわりに 敗戦と憲法


戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗
朝日出版社
加藤 陽子

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加藤陽子 朝日出版社BKSCPN_【bookーfestivalーthr】 発行年月:2016年08月


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商品基本情報
発売日: 2016年08月12日頃
著者/編集: 加藤陽子
出版社: 朝日出版社
サイズ: 単行本
ページ数: 480p
ISBNコード: 9784255009407

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
かつて日本は、世界から「どちらを選ぶか」と三度、問われた。より良き道を選べなかったのはなぜか。日本近現代史の最前線。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1章 国家が歴史を書くとき、歴史が生まれるとき
「歴史のものさし」で世の中をはかってみる
現代の史料を、過去のデータと照らし合わせて読む
歴史が書かれるとき
歴史の始まりとは
2章 「選択」するとき、そこでなにが起きているのかーリットン報告書を読む
日本が「世界の道」を提示されるとき
選択肢のかたちはどのようにつくられるか
日本が選ぶとき、為政者はなにを考えていたのか
3章 軍事同盟とはなにかー二〇日間で結ばれた三国軍事同盟
軍事同盟とはなにか
なぜ、ドイツも日本も急いだのか
「バスに乗り遅れる」から結んだのではない
4章 日本人が戦争に賭けたのはなぜかー日米交渉の厚み
戦争前夜、敵国同士が交渉の席に着く意味は
史料に残る痕跡
日本はなぜアメリカの制裁を予測できなかったのか
国民は、その道のみを教えられ続けてきた
絶望したから開戦したのではない
終章 講義の終わりにー敗戦と憲法
講義の終わりに

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
加藤陽子(カトウヨウコ)
1960年、埼玉県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。89年、東京大学大学院博士課程修了。山梨大学助教授、スタンフォード大学フーバー研究所訪問研究員などを経て現職。専攻は日本近現代史。2010年に『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社刊)で小林秀雄賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

[評者]筒井清忠=帝京大教授

 一般向きの『昭和史』の本は、もう十年以上前から間違いが平気で横行する嘆かわしい状態となっている。そうした中、著者が、中高生を相手に、リットン調査団・日独伊三国同盟・日米交渉という歴史的ポイントについての講義を行い、それをまとめた本書を刊行されたことは意義深いことと言えよう。ここでは、最初のリットン調査団のところだけを見ることにしたい。

 リットンの報告書は、基本的には満州事変(一九三一年)での関東軍の軍事行動を非難したものであるが、事変前の中国側の排日ボイコットにも問題があることを指摘したものだと著者は述べている。紛争を解決するため、日本側の事情を汲(く)み取ったところもある巧みなものだったというわけである。

 こうした多面的認識を説くことは大変好ましく、これからの若い世代はこうした多元性を身につけて国際情勢を見てもらいたいと評者も思う。手前みそになるが、著者の触れていない中ソ戦争(一九二九年)などについては、評者の『満州事変はなぜ起きたのか』(中公選書)を見てもらいたい。

 あえて、疑問点を書けば、国際連盟脱退に関し、当時、日本の識者の間では国際法の立(たち)作太郎東大教授が主張した「頬かむり論」(非難されても制裁規定がないのでそのまま連盟にいて時期を待てばいいという主張)が有力であったのに、なぜ松岡全権はそうしなかったのかという問題や、日本軍の熱河省における軍事行動が脱退の重要な要素なのに本書には出てこないということがある。中高生にさらに知らせたいところではないだろうか。

 八月末のニューヨーク・タイムズに、アメリカの主要大学における「アメリカ政治史」のポストの極少化と研究・教育の凋落(ちょうらく)というショッキングな記事が出た。よい政治史を教えられない国民は過去に学ばない国民になる。トランプ現象の背後にある一つはこれだろう。日本はどうか。著者や私たちの使命はいっそう大きいといえよう。

 <かとう・ようこ> 1960年生まれ。東大教授。著書『戦争の日本近現代史』など。

◆もう1冊 

 半藤一利著『「昭和天皇実録」にみる開戦と終戦』(岩波ブックレット)。公開された「昭和天皇実録」から天皇の決断を読み解く。


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