日本馬が合計13頭も参戦 香港G1レース“総ナメ”の可能性は?

日本馬が合計13頭も参戦 香港G1レース“総ナメ”の可能性は?
(更新 dot.asahi.com2016/12/10 16:00)

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昨年の香港マイルで優勝したモーリスは、ラストランとなる今年は香港カップに出走する(写真:Getty Images)


 今年から始まった海外競馬の馬券発売。思い入れのある日本馬を中心に買うもよし、オッズを考慮してあえて海外馬から買うもよし。国内競馬とはひと味違った楽しみ方ができるようになったのはファンにとっても嬉しいことだ。その開放元年の総決算となりそうなのが、12月11日に香港で行われる4つのG1レースだ。

 4つのG1レースとは、香港ヴァーズ(芝2400メートル)、香港スプリント(芝1200メートル)、香港マイル(芝1600メートル)、香港カップ(芝2000メートル)。これらに合計13頭もの日本馬が挑戦するのだから、注目度も期待値も高くなるのは当然だろう。

 ここでは各レースの展望を日本馬中心に紹介していくが、まず始めにご注意を。最初に発売される香港ヴァーズの発走予定時刻は15時(日本時間、以下同)で、以降は香港スプリントが15時40分、香港マイルが16時50分、香港カップは17時30分となっている。普段から馬券を買っている方には言うまでもないだろうが、当日は日本の阪神競馬場でもG1阪神ジュベナイルフィリーズが予定されており、こちらの発走予定時刻は15時40分。つまり日本と香港で開催時間が重複している。馬券購入の際には締め切り時間を念頭に置いた方がよさそうだ。

 さて、まずは香港ヴァーズから。ここにはサトノクラウン(牡4歳)、ヌーヴォレコルト(牝5歳)、スマートレイアー(牝6歳)と3頭の日本馬が出走する。格から言えば2年前のオークスを制している唯一のG1馬ヌーヴォレコルトが大将か。昨年は香港カップでエイシンヒカリ(牡5歳)の2着と馬場実績もあり、この秋は米国遠征でブリーダーズカップフィリー&メアターフこそ11着と大敗したが、続くG3レッドカーペットHを制した。懸念としてはBCから中2週で前走を走り、さらに中2週で今回とローテーションが厳しいこと、日本から米国、そして香港と長距離輸送を重ねたこと、2400メートルを走るのがオークス以来ということか。

 サトノクラウンは昨年のダービー3着馬。今年は初戦のG2京都記念を勝ったが、その後は4月の香港遠征でクイーンエリザベス2世カップを12着と完敗。宝塚記念6着、天皇賞・秋14着と振るわない。スマートレイアーは主に1600~1800メートルで実績を重ねてきた馬で、初めての2400メートルがどう出るか次第だろう。

 もっとも、このレースはアイルランド馬ハイランドリール(牡4歳)が大本命というのが衆目の一致するところ。名門エイダン・オブライエン調教師の手がける同馬は、7月に英G1キングジョージを制覇。秋はマカヒキも出走した凱旋門賞2着、ブリーダーズカップターフ1着とずば抜けた成績を残している。この名馬に日本勢がどう立ち向かうかが焦点となりそうだ。

 2レース目は香港スプリント。日本からは春の高松宮記念を制したビッグアーサー(牡5歳)、秋のスプリンターズSを勝ったレッドファルクス(牡5歳)と両短距離王者が出走する。ビッグアーサーは前走のスプリンターズSで12着と崩れたが、これは福永祐一騎手も認めたように騎乗ミスの色濃い結果だった。今回は福永騎手の負傷で名手ライアン・ムーア騎手に乗り替わりとなるが、これがマイナスに働くことはないと思われる。

 レッドファルクスはオープン特別からG3、そして前走のG1と3連勝で頂点へ駆け上がった。スプリンターズSが3カ月ぶりだったようにローテーションにも余裕があり、課題とされていた右回りも前走で克服するなど、目下の充実ぶりはピカイチだ。

 気になる相手関係だが、強敵はスプリント大国とも言われる地元の香港勢。特に2年前の勝ち馬で昨年の高松宮記念も勝っているエアロヴェロシティ(せん8歳)だ。連覇を狙った今年の高松宮記念は来日後に疝痛(せんつう)で出走回避とアクシデントに見舞われ、秋の復帰後は2戦連続で3着。状態と年齢面での衰えをどう判断するかが鍵となる。そのほか、昨年の覇者ペニアフォビア(せん5歳)、充実著しいラッキーバブルズ(せん5歳)も侮れない。

 3レース目は香港マイル。今年の安田記念でモーリス(牡5歳)を破ったロゴタイプ(牡6歳)、マイルチャンピオンシップで上位入選したネオリアリズム(牡5歳)とサトノアラジン(牡5歳)が顔を揃える。安田記念が実に3年2か月ぶりの勝利だったロゴタイプは先行力が持ち味。秋は毎日王冠8着、天皇賞・秋5着と敗れているが、展開次第で好走は可能だろう。マイルCS3着のネオリアリズムと同5着サトノアラジンは、前走で大きな不利を受けての着順。スムーズに走ることができれば巻き返しも見込めるはずだ。特に札幌記念でモーリスを2着に退けたネオリアリズムには注目したい。

 このレースで最も判断が難しいのは、香港馬エイブルフレンド(せん7歳)の取捨選択だろう。2シーズン連続で年度代表馬に選ばれている名マイラーだが、昨年のこのレースではモーリスの3着に敗退し、年明けには屈腱炎で長期離脱。11月になって実戦復帰したものの前走のG2で4着に敗れた。力量的に最上位なのは確かだが、現在の状態をどう見積もるかで評価が大きく変わってくる。

 香港国際競走のトリを飾るのは香港カップ。ここは日本馬2頭の名勝負が期待できる。昨年の同レースを逃げ切り勝ちし、今年5月には仏G1イスパーン賞で圧巻の10馬身差勝ちを収めたエイシンヒカリに、マイル王にとどまらず中距離王の座を狙うモーリス。前走の天皇賞・秋ではモーリスが勝ち、エイシンヒカリは12着に沈んだが、エイシンヒカリは昨年も天皇賞・秋9着から巻き返している。1枠1番とこの馬には絶好の枠順を引いたように幸運も味方につけている。

 モーリスは2000メートルの距離をこなせることを天皇賞で証明。シャティンの馬場も昨年の香港マイルを制したように問題なく、引き続き世界の名手ムーア騎手が手綱を取るのも好材料だ。

 ラブリーデイ(牡6歳)とステファノス(牡5歳)も出走予定。エイシンヒカリとモーリスの両横綱とは勝負付けが済んでいる印象だが、その他の馬には引けを取らない力を秘めている。ぜひ香港競馬史上で語り継がれるような名レースを日本馬たちで見せてほしい。

「馬はなぜ走るのか」 辻谷秋人著(三賢社 1,296円税込)


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【内容情報】(出版社より)
馬ってすごい!

「走るために生まれてきた」と言われるけれど、本当に馬は走るのが好きなのだろうか。勝ちたいと思って走っているのか。なぜ人の指示どおりに走るのか。
進化、行動、運動生理……。競馬の主役・サラブレッドの生態や肉体を、「走る」をキーワードに切り取った、スポーツ科学的ノンフィクション。競馬を見る目が大きく変わる!

はじめに
第一章 馬はなぜ走るのか   
第二章 競馬を可能にした馬という動物
第三章 競走馬に必要な能力とは
第四章 馬はどのように走っているか
第五章 馬はどんなところを走っているか
第六章 馬はこうして競走馬になる
第七章 馬の感覚と競走能力
おわりに 馬にとっての幸福とは


馬はなぜ走るのか―やさしいサラブレッド学
三賢社
辻谷 秋人

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辻谷秋人 三賢社発行年月:2016年09月10日 予約締切日:2016年09月09日 ページ数:21


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商品基本情報
発売日: 2016年09月10日
著者/編集: 辻谷秋人
出版社: 三賢社
サイズ: 単行本
ページ数: 216p
ISBNコード: 9784908655029

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
進化、行動、運動生理…。サラブレッドの生態・肉体を、「走る」をキーワードに切り取った、スポーツ科学的ノンフィクション。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 馬はなぜ走るのか
第2章 競馬を可能にした馬という動物
第3章 競走馬に必要な能力とは
第4章 馬はどのように走っているか
第5章 馬はどんなところを走っているか
第6章 馬はこうして競走馬になる
第7章 馬の感覚と競走能力

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
辻谷秋人(ツジヤアキヒト)
1961年、群馬県草津町生まれ。コンピュータ系出版社を経て、(株)中央競馬ピーアール・センターに入社。月刊誌『優駿』の編集に携わる。その後、フリーとなり、競馬雑誌をはじめスポーツ、コンピュータ、ビジネスなどの分野で活動する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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