ニ子玉川情報センター 

アクセスカウンタ

zoom RSS 【佐藤優 書評】 『幼児教育の経済学』 ノーベル経済学者が認めた「やっぱり人生は実家の収入で決まる」

<<   作成日時 : 2017/01/25 17:24   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

ノーベル経済学者が認めた「やっぱり人生は実家の収入で決まる」
では、格差を脱する方法はないのか?
佐藤 優作家
現代ビジネス2017年1月24日

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50755


画像


格差は生まれた瞬間からはじまる

ノーベル経済学賞を受賞した米国のヘックマン教授が、40年以上にわたる追跡調査によって、就学前の幼児に対する教育が経済的に大きな効果をもたらすことを証明した名著だ。

最近、日本でも「就学前教育によって子どもが将来、富裕層になる可能性が高まる」との議論をする人が増えてきたが、その種本になっているのが『幼児教育の経済学』だ。

「幼児教育の経済学」 ジェームズ・J・ヘックマン著(東洋経済新報社 1,728円税込)


画像


【内容情報】(出版社より)
やる気・忍耐力・協調性ーー幼少期に身につけた力が、人生を変える!

なぜ幼少期に積極的に教育すべきなのか?
幼少期に適切な働きかけがないと、どうなるのか?
早い時期からの教育で、人生がどう変わるのか?

ノーベル賞学者が40年にわたって追跡調査
脳科学との融合でたどりついた衝撃の真実!

●5歳までの教育は、学力だけでなく健康にも影響する
●6歳時点の親の所得で学力に差がついている
●ふれあいが足りないと子の脳は萎縮する

子供の人生を豊かにし、効率性と公平性を同時に達成できる教育を、経済学の世界的権威が徹底的に議論する。

「就学前教育の効果が非常に高いことを実証的に明らかにしている。子供の貧困が問題となっている日本でも必読の一冊」解説 大竹文雄

【パート1】子供たちに公平なチャンスを与える
 ジェームズ・J・ヘックマン

【パート2】各分野の専門家によるコメント

職業訓練プログラムも成果を発揮する
 カリフォルニア大学ロサンゼルス校大学院教育・情報学部教授 マイク・ローズ

幼少期の教育は母親の人生も改善する
 ジョージタウン大学法律センター法学および哲学教授 ロビン・ウェスト

幼少期の教育的介入に否定的な報告もある
 アメリカンエンタープライズ研究所W・H・ブレイディ研究員 チャールズ・マレー

思春期の子供への介入も重要だ
 スタンフォード大学心理学教授 キャロル・S・ドウェック

質の違いよりすべての子がプログラムを受けられることが大事
 ハーヴァード大学教育学部大学院教育学および経済学准教授 デヴィッド・デミング

ペリー就学前プロジェクトの成果は比較的小さい
 ケイトー研究所教育的自由センター副所長 ニール・マクラスキー

学業成績や収入は大事だが、人生のすべてではない
 ペンシルヴェニア大学社会学教授 アネット・ラロー

良いプログラムは何が違うのかを研究し続ける必要がある
 ワシントンDCのチャータースクール教師 ルラック・アルマゴール

恵まれない人々の文化的価値観に配慮した介入を
 オックスフォード大学ベリオールカレッジ政治学講師 アダム・スウィフト
 ウィスコンシン大学マディソン校哲学教授 ハリー・ブリグハウス

就学前の親への教育と「考え方を変えること」が子供たちを救う
 ハーレム・チルドレンズ・ゾーンの創設者、代表者 ジェフリー・カナダ

【パート3】ライフサイクルを支援する
 ジェームズ・J・ヘックマン

【解説】就学前教育の重要性と日本における本書の意義
 大竹文雄(大阪大学副学長、大阪大学社会経済研究所教授)


幼児教育の経済学
東洋経済新報社
ジェームズ・J・ヘックマン

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 幼児教育の経済学 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



幼児教育の経済学 [ ジェームズ・J・ヘックマン ]
楽天ブックス
ジェームズ・J・ヘックマン 大竹文雄 東洋経済新報社発行年月:2015年06月19日 予約締切日:2


楽天市場 by 幼児教育の経済学 [ ジェームズ・J・ヘックマン ] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


商品基本情報
発売日: 2015年06月19日頃
著者/編集: ジェームズ・J・ヘックマン, 大竹文雄
出版社: 東洋経済新報社
サイズ: 単行本
ページ数: 127p
ISBNコード: 9784492314630

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
なぜ幼少期に積極的に教育すべきなのか?幼少期に適切な働きかけがないと、どうなるのか?早い時期からの教育で、人生がどう変わるのか?子供の人生を豊かにし、効率性と公平性を同時に達成できる教育を、経済学の世界的権威が徹底的に議論する。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1 子供たちに公平なチャンスを与える
両極化
認知力を超えるもの
幼少期の重要性 ほか
2 各分野の専門家によるコメント
職業訓練プログラムも成果を発揮するーカリフォルニア大学ロサンゼルス校大学院教育・情報学部教授 マイク・ローズ
幼少期の教育は母親の人生も改善するージョージタウン大学法律センター法学および哲学教授 ロビン・ウェスト
幼少期の教育的介入に否定的な報告もあるーアメリカンエンタープライズ研究所W・H・ブレイディ研究員 チャールズ・マレー ほか
3 ライフサイクルを支援する

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
ヘックマン,ジェームズ・J.(Heckman,James J.)(ヘックマン,ジェームズJ.)
シカゴ大学ヘンリー・シュルツ特別待遇経済学教授。1965年コロラド大学卒業、1971年プリンストン大学でPh.D.(経済学)取得。1973年よりシカゴ大学にて教鞭を執る。1983年ジョン・ベイツ・クラーク賞受賞。2000年ノーベル経済学賞受賞。専門は労働経済学

大竹文雄(オオタケフミオ)
大阪大学理事・副学長、大阪大学特別教授、大阪大学社会経済研究所教授。1961年京都府生まれ。1983年京都大学経済学部卒業、1985年大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了。1985年大阪大学経済学部助手などを経て、2001年より同社会経済研究所教授。2013年より理事・副学長。博士(経済学)。専門は労働経済学、行動経済学。2005年日経・経済図書文化賞、2005年サントリー学芸賞、2006年毎日新聞社・エコノミスト賞(『日本の不平等』日本経済新聞社、2005年)受賞。2006年日本経済学会・石川賞、2008年日本学士院賞受賞

古草秀子(フルクサヒデコ)
翻訳家。青山学院大学文学部英米文学科卒業。ロンドン大学アジア・アフリカ研究院を経て、ロンドン大学経済学院大学院で国際政治学を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

電子書籍


幼児教育の経済学【電子書籍】[ ジェームズ・J・ヘックマン ]
楽天Kobo電子書籍ストア
やる気・忍耐力・協調性ーー幼少期に身につけた力が、人生を変える!<br><br>なぜ幼少期に積極的に


楽天市場 by 幼児教育の経済学【電子書籍】[ ジェームズ・J・ヘックマン ] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


もっともヘックマンは、就学前教育によって富裕層予備軍を育成せよと主張しているのではなく、貧困問題の解決策として幼児期の子どもの環境に注意を向け、以下の警鐘を鳴らしている。

〈今日のアメリカでは、どんな環境に生まれあわせるかが不平等の主要な原因の一つになっている。アメリカ社会は専門的な技術を持つ人と持たない人とに両極化されており、両者の相違は乳幼児期の体験に根差している。

恵まれない環境に生まれた子供は、技術を持たない人間に成長して、生涯賃金が低く、病気や十代の妊娠や犯罪など個人的・社会的なさまざまな問題に直面するリスクが非常に高い。機会均等を声高に訴えながら、私たちは生まれが運命を決める社会に生きているのだ。(中略)

生まれあわせた環境が人生にもたらす強力な影響は、恵まれない家庭に生まれた者にとって悪である。そして、アメリカ社会全体にとっても悪である。数多くの市民が社会に貢献する可能性を失わせているのだ〉

そして、適切な社会政策を実施することによって、状況の抜本的な解決が可能であるとヘックマンは考える。

米国において、特に深刻な状態に置かれているのがひとり親家庭の子どもだ。

〈ひとり親家庭で育つ子供の割合は劇的に増加しており、その主要な原因は未婚のまま子供を持つ母親が著しく増えていることにある。未婚の母親を持つ五歳以下のすべての子供の割合は、学校教育から脱落した女性を母親として生まれた子供の三五パーセント以上にのぼっている。この傾向はとくにアフリカ系アメリカ人で顕著である。高学歴女性を母親に持つ子供と低学歴女性を母親に持つ子供との環境格差が生まれている。(中略)

高学歴な女性の就労率は、低学歴な女性の場合よりもはるかに高い。同時に、広範囲な調査研究によれば、大卒の母親は低学歴な母親よりも育児に多くの時間を割き、とくに情操教育に熱心だ。彼女たちはわが子への読み聞かせにより多くの時間をかけ、一緒にテレビを観る時間はより少ない。

教育程度の高い女性が未婚で子供を産む率は一〇パーセント未満だ。彼女たちは結婚も出産も比較的遅く、教育を修了することを優先する傾向が強い。自分自身の収入も配偶者の収入も安定している。子供の数が少ない。こういった要素がはるかにゆたかな子育て環境をもたらし、それが子供の語彙や知的能力に劇的な違いをもたらす。

両親が安定した結婚生活を営んでいる子供には恩恵がとくに明白で、子育ての質においての、持つ者と持たざる者との格差は、過去三〇年間に拡大した。高学歴の女性を母親として、安定した結婚生活を営む家庭に生まれ育つ子供は、そうでない子供よりも著しく有利だ。要するに、高学歴な母親ほど仕事を持ち、安定した結婚生活を営み、わが子の教育に熱心だということだ〉

事前分配のメリット

このような状況だと、両親が高学歴で安定した結婚生活を営んでいる家庭の子どもは、知識と情操の両面で良好な教育が受けられるので、小学校に入ってからも学業も体育も素行も優秀で、高等教育機関に進む可能性が大きく開かれる。そして学校を終えた後も比較的高収入の職に就き、同じ階層から配偶者を見つけ、自分が受けたのと同じような良好な教育環境を子どもに保証する。

低学歴のひとり親のもとで育てられた子どもは、人生のスタート時点での遅れを一生取り戻すことができない。それだから、政府が適切な関与を就学前児童に対して行う必要がある。その場合、給付金政策はほとんど意味を持たないとヘックマンは考える。

〈貧困に対処し社会的流動性を促進するために、所得の再分配を求める声は多い。だが、最新の研究は、再分配はある時点では確実に社会の不公平を減じるものの、それ自体が長期的な社会的流動性や社会的包容力[訳注‥社会的に弱い立場にある人々を排除・孤立させるのではなく、共に支え合って生活していこうという考え方]を向上させはしないと主張している。

事前分配―恵まれない子供の幼少期の生活を改善すること―は社会的包容力を育成すると同時に、経済効率や労働力の生産性を高めるうえで、単純な再配分よりもはるかに効果的である。事前分配政策は公平であり、経済的に効率がいい〉

貧困層に属する人々は、生活習慣においても「弱い」人が多い。就学前の子どものために政府が補助金を支給しても、親がその金で酒を飲んだり、ギャンブルに使ってしまったりする可能性は排除されない。

このような給付金よりも、就学前教育を義務化するとともに、教材費、給食費を含め、一切、無償化することの方がずっと効果が期待できる。

日本においても子どもの貧困が深刻な問題になっている。現在も行政や民間のボランティア団体が、貧困層の子どものためにさまざまな活動を展開しているが、事態の悪化を食い止めることができていない。

保育園・幼稚園を義務教育化し、親の経済力に関係なく、子どもにはできるだけ平等に知育、徳育、体育のバランスが取れた教育を無償で受けさせられるような制度設計が必要だ。

それにかかる2兆円程度の経費は、消費税を1%上げれば確保できる。その結果、将来、生活保護に頼る人が減り、納税者が増えるわけだから、経済合理性もある。

『週刊現代』2017年1月28日号より


テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
【佐藤優 書評】 『幼児教育の経済学』 ノーベル経済学者が認めた「やっぱり人生は実家の収入で決まる」 ニ子玉川情報センター /BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる