<「沖縄ヘイト」言説を問う>(1) ジャーナリスト・津田大介さん(43) 東京新聞2017年2月2日

【社会】
<「沖縄ヘイト」言説を問う>(1) ジャーナリスト・津田大介さん(43)
東京新聞2017年2月2日 朝刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201702/CK2017020202000131.html


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「本土の人は沖縄の問題にもっと関心をもつべきだ」と語る津田大介さん=東京都港区で

 東京MXテレビの番組「ニュース女子」が一月二日に放送した内容について、沖縄の米軍基地に異議を唱える人びとへの憎悪を広めた「ヘイト放送」との批判が出ている。番組の奥にある本質は何か。識者に聞く。

     ◇

 沖縄の米軍基地反対運動を扱った東京MXテレビの番組「ニュース女子」は、一から十まで事実に基づかない、ひどいものだった。同局がこの問題とどう向き合い、放送倫理・番組向上機構(BPO)がどう判断するのかはっきりしないと、コメンテーターを務めている同局の番組には出られないと考え、今後の出演を断った。

 沖縄の全市町村の首長たちがオスプレイ配備撤回を求め、二〇一三年に東京でデモしたときに、「おまえら中国人の手先か」「死ね」などと、ひどい言葉を浴びせかけられた。今回はメディアが、間違いだらけで、偏見と憎悪に基づく番組を放送してしまった。双方の根底にあるのは沖縄への差別意識以外のなにものでもない。

 私は翁長雄志(おながたけし)知事が当選した二〇一四年の沖縄県知事選から沖縄の問題を継続して取材している。それまで、沖縄の基地問題について詳しく知らなかったことを恥ずかしく思う。

 本土のわれわれが基地問題から目をそらし続けてきた結果として、沖縄の現状がある。本土の人が基地問題と向き合わないのは、そうすれば、本土による基地の引き受け論につながってしまうからだ。

 日米安保と日米地位協定という動かしがたい現実があり、一方で中国の脅威もある。現状は「沖縄が犠牲になってよ」と言っているのと同じ状態。でもそうは言いにくいから、基地に反対する人を「中国の手先だ」と批判することでごまかしている。

 ネット上には都合のいい一瞬の事実だけを切り取って、全体を語るような情報があふれている。

 例えば、高江のヘリパッド建設反対のために建設現場付近のテントに集まった人たちが、手をあげている写真が発信された。これは「県外から来た人、手をあげてください」という呼び掛けに応えた場面。これを見ると反対運動しているのは県外の人ばかりに見える。私はこのとき現場にいたのだが、テントの外にもっと多くの県民がいたのに、それを無視している。

 今回、深刻なのは、同レベルのものが地上波で放送されてしまったことだ。ほかのメディアはこの問題に対して、もっと怒るべきだ。そうしないと、政府が放送に介入するきっかけをつくってしまう。

 <つだ・だいすけ> 1973年生まれ。東京都出身。ジャーナリスト。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ネットメディアと幅広い分野で活躍。インターネットの政治メディア「ポリタス」の編集長を務める。

【本音のコラム】
沖縄「理解」の本気度  佐藤 優(作家・外務省主任分析官)
東京新聞2017年1月27日



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【書評】
沖縄VS.安倍政権 宮里政玄 著(高文研・1620円)
東京新聞2017年1月22日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2017012202000171.html


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◆対米自立で築く要塞

「沖縄VS.安倍政権 沖縄はどうすべきか」 宮里政玄著(高文研 1,620円税込)


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沖縄はどうすべきか 宮里政玄 高文研発行年月:2016年12月 ページ数:127p サイズ:単行本


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商品基本情報
発売日: 2016年12月15日頃
著者/編集: 宮里政玄
出版社: 高文研
サイズ: 単行本
ページ数: 127p
ISBNコード: 9784874986080

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
再び沖縄を戦場にしないため、沖縄の未来を切り拓くため、安倍政権に対する積極的「反対」の姿勢の継続を説く!

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 転換期の沖縄問題
辺野古新基地反対運動の高まり
日米の沖縄少数民族論
在沖海兵隊の抑止力
安倍政権の安全保障政策
第2章 中国の台頭とソフト・パワー
パワー・シフト論
中国の夢
米中で世界を仕切る「G2」体制樹立の挫折
世界戦略の転換ーAIIBとシルクロードの経済構想
中国のソフト・パワー
第3章 アメリカの対中政策と安倍外交
アメリカのアジア・太平洋リバランス
安倍外交/アメリカの対日、対韓政策
リバランス政策と安倍外交の非整合性
第4章 沖縄の現状
自己決定権の主張
辺野古埋め立て承認取り消しと裁判
国・県の和解提案
強硬政策への転換
日米の共同訓練と自衛隊の「南西シフト」
結論ー沖縄はどうすべきか

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
宮里政玄(ミヤザトセイゲン)
1931年、沖縄県今帰仁村に生まれる。専門は、アメリカ外交史、日米関係。琉球大学教授、国際大学教授、獨協大学教授を経て、現在、沖縄対外問題研究会顧問を務める。著書:『日米関係と沖縄1945-1972』(岩波書店2000年“第29回伊波普猷賞”)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

[評者]田仲康博=国際基督教大教授

 かつて沖縄の反基地運動の敵手は米軍であり米政府であった。しかし、ここにきて状況は大きく変わりつつある。本書のタイトルが端的に示しているように、いま沖縄の怒りと抗議の矛先が向けられているのは、アメリカではなく、むしろ日本政府の方なのである。

 宮里は、安倍政権の外交政策がアジア情勢の変化とそれに起因する米中関係の深まりに追いついていないことを指摘する。中国の台頭に対して従来のタカ派的な戦術では対処しきれなくなったアメリカは、経済や軍事の面で中国との関係を強化する方向に政策を転換した。

 その傍らで安倍政権は未(いま)だに中国脅威論に基づいて沖縄の要塞(ようさい)化を押し進めている。宮里は、日本政府が基地強化の理由にあげる海兵隊の抑止力や沖縄の地理的優位性には根拠がないと具体例をあげて批判する。そもそも海兵隊は日本防衛のために駐留しているのではないのだ。

 安倍政権の頑迷さは、じつは計算されたものではないのだろうか。この点において、対米追従と批判されがちな安倍政権にはむしろ「対米自立」の傾向があるとする宮里の指摘は重要なものだ。沖縄における自衛隊の前景化が彼の説を裏づけている。

 新基地建設に反対する沖縄の人々が相対しているのは沖縄防衛局や機動隊員であり、その背後にいる安倍政権なのだ。
 
<みやざと・せいげん> 1931年生まれ。政治学者。著書『日米関係と沖縄』など。

◆もう1冊
 
 佐藤優著『沖縄と差別』(金曜日)。沖縄に対する差別が背景にあるとの視点で新基地建設問題の本質に迫る論集。

「沖縄と差別」 佐藤優著(金曜日 2,268円税込)


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佐藤 優

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佐藤優 金曜日発行年月:2016年07月 ページ数:318p サイズ:単行本 ISBN:978486


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商品基本情報
発売日: 2016年07月12日頃
著者/編集: 佐藤優
出版社: 金曜日
サイズ: 単行本
ページ数: 318p
ISBNコード: 9784865720112

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
いまも沖縄は「戦場」だ。中央政府の鈍感な対応に沖縄の怒りは沸点に近づいている。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 鳩山政権の「県外・国外」移設方針
第2章 「県外」主張する仲井眞知事の再選
第3章 玄葉外相など相次ぐ閣僚の問題発言
第4章 野田政権によるオスプレイ強行配備
第5章 安倍政権の強権と仲井眞知事の転向
第6章 選挙通じた民意を無視する安倍政権
第7章 「オール沖縄」で活動する翁長知事
第8章 翁長知事に対する国の訴訟とその和解
第9章 米軍属による女性殺人遺棄事件
対談 非暴力・不服従を前面にー佐藤優×元山仁士郎

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
佐藤優(サトウマサル)
1960年、東京都生まれ。作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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