東京新聞2012年5月18日 本音のコラム…鳩山元首相の反省 佐藤 優

東京新聞2012年5月18日 本音のコラム

鳩山元首相の反省   佐藤 優

 5月15日に沖縄県宜野湾市で行われた沖縄復帰40年記念式典に参加するため、沖縄を訪れた鳩山由紀夫元首相が、地元紙「琉球新報」との単独インタビューに応じた(16日掲載)。

 「(普天間飛行場)県外移設を掲げたことはどう振り返るか」という質問に、鳩山氏は「県外移設を掲げたのは当然のことだ。期待を掛けた県民に応えられず、大変申し訳なく思っている」と答えた。「県外移設が実現できなかった最大の要因は」との問には「防衛、外務官僚はいかに辺野古に戻すかに腐心していた。県外移設はおかしいと、むしろ米側を通して辺野古でないと駄目だという理屈を導いたようだ。政治主導で、オバマ大統領との直接対話など、官僚を飛び越えた議論ができなかった。私の力量不足だった」と反省の弁を述べた。続けて、辺野古移設は非現実的なので「日本が働き掛け、米国と仕切り直す必要がある」と語った。

 防衛、外務官僚が官僚機構の最高指導者である首相の意向を無視し、外国と通じ、辺野古回帰に腐心していたという証言を鳩山氏がした意味は大きい。なぜ、本土のマスメディアはこのような証言を鳩山氏から引き出そうとしないのか。このような本土のマスメディアの姿勢に、沖縄に対する構造的差別が解消されない要因がある。

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琉球新報2012年5月16日


 鳩山由紀夫元首相は15日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画をめぐり、県民の強い反対や再考を促す米議会の動きなどを挙げ、辺野古移設は困難との認識を示した。鳩山氏は米側と再交渉に入る必要性を強調し、「現実的な答えを早急に見いだすべきだ」と指摘した。
 県外移設を掲げながら、県内移設に回帰した鳩山氏自身が、日米合意の実現性に強い疑問を呈した。
 復帰40年の記念式典に出席するため来県し、琉球新報社の単独インタビューに応じた鳩山氏は県外移設を達成できなかった要因について、防衛、外務官僚が辺野古回帰に執着する中、「官僚を飛び越え議論する環境をつくれなかった。私の力量の問題だった」と説明した。
 本紙などの世論調査で沖縄への基地集中は「不平等」との回答が県民7割に対し、全国が3割余にとどまったことに「まさに不平等だが、全国は3人に1人程度しか思っていない。大きな意識の差があり、沖縄が差別されていると思うのは当然だ」と述べた。

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